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Novel〜孕〜
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ヲーンとは、青国の森に多く住む
子供のこぶしほどの虫のことだ。

暖かいものを好む習性から、よく森に入った人間の足などにくっつこうとする。
しかし奴らは「毒」を持っていた。
ただ触れただけで、皮膚が爛れたようになり、毒が血流に乗ってしまえば、ほとんどの者が死んでしまう、恐ろしい猛毒を持つ虫。

唯一、ヲーンに触られないようするには、青国独自の形をした靴を履いて、ヲーンが登ってこれないようにすることだ。
また、ヲーンはそれほど素早い虫ではないため、足元に気をつけていれば登ってくる前に避けることも出来た。




ともかく紫色になって爛れているであろう息子の背中を想像していた両親は不思議そうな顔を見合わせる。そんな両親に少年は「どうしたの?」と尋ねたが、

その時はまだ、誰も何ひとつとして知らなかった。




息子、カイは父メジと母レイナの間に生まれて、ずっとこの村で育った。
体は大きくなかったが、活発で、村の子供たちの中では頭のいいほう。

髪は父親に似て、柔らかく、黒と言うには少し色素が薄くて、太陽に透かすと茶色に見えた。
目は母親ゆずりで、少しだけ青がかった色をしていた。

しかし大して何かの才能があるわけではない、特別容姿がいいわけでもない。

普通の子供。
それがカイだった。






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あきゅろす。
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