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Novel〜孕〜
赤国へ





意外なことにアースはユースほどゴネなかった。
期待を込めて、ユースが「ムラサまで赤国に行くと言い出した」と伝えると、彼女は「仕様がないわね」と呆れたように笑ったのだ。

いいのか、と聞くとアースは

「なんだか、そんな気がしてたの…
あの人も、自分に出来ることはないかって、いつも悩んでたみたいだったから」

部隊長の任を降りて2年近く経とうとしている。デアンもおかしなことは控えているようだったので、そろそろ何か行動をしたいのではと思っていたのだ。

「もしかしたら殺されてしまうかもしれないんだぞ…?平気なのか?」

ユースはじりじりしてそう言った。ひとりでも味方が欲しい気分なのだろう。

「もちろん嫌よ。傍にいてほしいわ。

でも、ムラサを信じようと思う…。生きて帰るって言ったんでしょ?」

「そうだけど…」

「ユース。私もカイの笑った顔を見てみたい…
幸せな気持ちにさせてあげたい。

カイがこれだけ深く愛した人だもの。今でも、きっとカイへの気持ちは変わっていないと思うわ
だから早くハルさんに、カイが生きてるってことを知らせてあげたいって思うの」

その気持ちはユースにももちろんあった。しかし過保護な面がある彼はヒチが敵地へ乗り込むことが、心配で堪らないのだ。
彼の気持ちがわからないでもないが、それでもアースは自分の意思を伝えるように、ユースの手をぎゅっと握った。

「信じよう?ヒチとムラサを」

「…うん」







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あきゅろす。
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