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Novel〜孕〜
ぷんぷん 2






泉に戻るまで、元気な方のリスは、それは大変な騒ぎだった。
アオがどうにか包み込んで逃がさないようにしていたが、ユキは見ていてハラハラし通しだった。


そしてようやく泉へ。
ユキはすばやく降りて、おなじみのカップを持つと泉に走る。
身を浸けるのは冷たすぎて危険だと思ったのだ。

アオも賛成らしく、ユキが水を汲みあげるのを待っている。

すると留守番をしていた子スライムたちが水面から顔を出した。

「ちょっと待っててくれ。今一大事なんだ」

かまって、と足をまとわりつく子供たちに苦笑しながら、ユキは立ち上がる。そこでようやく子スライムたちは父親が何かの生き物を持っていることに気がついた。

一斉に水から上がり興味津津に覗き込む。

「飲ませるだけで、いいよな?」

怪我は見当たらないので、おそらく病気だろう。一滴、リスの傍にしずくを落とすと、あとはアオが口に運んだ。
もう一匹は威嚇しながらも、邪魔はせずに見ている。

すると横たわった方が、ぐぐっと一度身を竦ませて、咳き込み始めた。

「だ、大丈夫なのか?!」

おろおろとユキともう一匹が見つめる。アオは自信があるのか、静かに待っている。
しばらく苦しそうにしていたリスは、ひと際大きくケホンと、何かを吐き出した。


「え…、なんだコレ…

たね?」

ユキが吐き出したものを見ていると、ひょこっと耳が動き出し、まるで何事もなかったかのように起き上がった。
もう一匹は飛び上がって喜び、駆け寄る。

結局、食べようとした種を誤って丸のみしていたようだ。
ユキはほっとして笑い出した。

「なんだぁ。ハハ、よかったなお前」



子スライムたちはまだよく内容が理解できていないようで、しきりにユキの足にまとわりついていた。
その後、2匹は無事に巣に送り届け、ユキは「いいことをしたな」と上機嫌だった。







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