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Novel〜孕〜
俺のかあちゃん 6





そして耐えきれなくなった空から、雨がポツポツと降り始める。

「ね?もう帰ろう?デクが心配するよ」

そう言われて、仕方がないからまた無視をしながら帰ろうと人間の方を向いた、はずだった。

「ナッツ!!」

ちらっと人間の驚いた顔が見えたと思ったら、世界がぐるんぐるんと回って、ドサッと尻もちをついた。
びっくりして、あたりを見回すと、そこには人間はいなくて、かわりに川が流れていた。

「大丈夫?!返事して!ナッツ!!」

上から、人間が叫んでいるのが聞こえる。どうしようと思ったけど、あまりに必死に、泣きそうな声で人間が呼ぶから、「だいじょおぶ!」と返事をしてしまった。
どうやら、俺は谷みたいになっているところに落ちたらしい。とおちゃんの言うとおり、ここは俺一人じゃ登れない。

返事を聞いた人間は、「ちょっと待ってて!」というとガサガサとどこかへ行ってしまった。

することがないので、膝を抱えて川を見る。
いつも上からのぞく川は、透明できれいなのに、今日は茶色く濁ってて、量も多い気がした。




ちょっと、怖くなる。



もしかして…、

このまま、誰も助けにこないんじゃ?


あの人間はとおちゃんが大好きだ。見ててわかる。もしかして、俺は邪魔だから、このまま放っておかれて死んじゃうの?

怖い…。そんなのいやだ!!






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