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シンフォニア小説
太陽 
【ゼロロイ】



いままで俺は人生の大半を嘘の自分でごまかしてきた。

笑顔の仮面を貼り付ければ、すぐにコロっと騙すことができた。

でも、あいつに笑顔の仮面は効かない。

あいつと一緒にいると、簡単に仮面を剥がされる。

そして、仮面の下の本当の自分が光のあたる処へ引きずり出されてしまう。

いや、光のあたる処じゃない。

あいつ自身が光なんだ。




本当の自分を自分からさらけ出すのが恐かった。

本当の自分を理解してくれないんじゃないかと思うと恐かった。

だから待ってた。

本当の自分を見つけてくれるひとを。

本当の自分を理解してくれるひとを。

本当の自分を照らしてくれる光を。

お前の光は眩しかった。

暖かくて心地よかった。

それ故に、失うのが恐かった。

この光は平等に全てを照らす。

俺だけのものにはならない。

いつか誰かに奪われるかもしれない。

それならいっそ、消してしまおう。

誰かに奪われるくらいなら、この手で消してしまったほうがマシだ。




でも




それが過ちだとすぐに理解した。

光は俺だけを照らそうとしていたのに。

本当の自分が、闇に溶けて見えなくなった。







それが見たかったんだと、気付いた――――










〜あとがき〜

   ゼロロイです。ロイドの名前が出てきませんでしたがゼロロイです。
   まぁ、ゼロス死亡ルートでゼロスが勝ったという設定ですね。
   だいぶ暗くなりました。本当はゼロスルートにする予定だったのにな〜。
   BUMP OF CHICKENの「太陽」がベースになっています。なんか聴いてたら書きたくなっちゃって。
   








                                                                     壊れた光を美しいと思う自分は、壊れているのだろうか――――











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あきゅろす。
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