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7話
「鈴木浩介、今の状況を理解しているか。お前は国家反逆の関係者になりかけている」
状況を理解していない浩介に反逆の二文字が突き刺さる。
「はん・・・ぎゃく・・・?」
「そう、反逆だ」
反逆。闇又の声はアレンジで生まれた感情のない無機質な声ではない。言葉の一つ一つに重みというか、感情に似たものがあるのだ。戸部とは違う感情の淹れ方というか。とにかく、反逆に思い当たる節はただ一つ。闇又は続ける。
「お前は戸田から何かを聞いたはずだ」
「!」
やはり、先程の電話に関係があるようだ。浩介はありのままを話す。
「はっきりいってあまり聞こえませんでした。ただ、逃げろと」
闇又はこちらをじっと見つめている。嘘を見抜く目だ。言葉を聞いてから少しの沈黙が生まれた。
「これが鈴木浩介の資料です」
神崎が数十枚で構成された資料を闇又に手渡した。闇又は資料を読み出した。

一通り浩介の経歴を読んだ闇又はこちらを見た。なぜか、わずかながら微笑を浮かべている気がする。
「君はなかなかの成績を残しているようだ」
「は、はい」
そう言われると、なんだか照れる。久々に褒められた気がするのだ。しかし、なんとも気味の悪い。笑っていながら、声は無機質なのだ。
そのとき、鷹こと神崎が部屋に入ってきた。
「神崎君。私は彼を入れることに決めた。準備をしてくれ」
「わかりました」
実際に、神崎が入ってきたのは浩介が入ってから10分ほどあとのことだったが、浩介にとっては2時間も立っていた感覚がある。そのためか、神崎の無機質な声はどこか懐かしさがあった。ノンアレンジでありながらの無機質な闇又の声に比べるとこちらの方がまだふっきれるものがある。
「ここからは神崎君に案内してもらうことにしょう。たのんだよ」
闇又はそう言って、さっさと立ち上がって窓の外を見ていた。感情がないのか、あるのか理解できない社長という印象が俺に植え付けられた。

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あきゅろす。
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