小説(岩男)
お前がそんなこと言うから【光→速?】
「あー・・・疲れた。」
俺はそう言って椅子の上で大きく伸びをした。
目の前にはたくさんの文字が打ち込まれたPCが光を放っている。
「まさかここまでかかるとは思ってなかったぜ・・・」
時計を見ると夜中の3時を指しており、結構かかったな・・・と俺は肩をすくめた。
「全く・・・俺が機械に強いからって博士の手伝いを二日連続でやらせなくてもよ・・・」
しかもこんな時間までかかるような仕事を・・・俺は心の中で悪態をついてからハァ・・・とため息をついた。
「・・・しかも、こんな微妙な時間だから寝れやしねェ。」
俺は椅子から立ち上がり、ドアを開け廊下にでた。
夜中なだけあって薄暗い明かりしかついておらず、ちょっとしたホラー映画を思い出させるような光景だ。
「さて・・・どうするか・・・。」
まぁ廊下で突っ立ってるのもな・・・と俺は歩きだした。
静か過ぎるその廊下に俺の足音だけが響く。
コツコツコツ
こんなに静かなのがなぜか不自然に思い、どうしてなのかと考えたときに赤い機体のあいつがふと脳内によぎった。
「あぁ・・・そうか。」
いつもあいつとケンカしてるもんな・・・俺。そうつぶやいて俺はくくくっと声を押し殺して笑った。
「なんか知らねェけどケンカになっちまうんだよなァ・・・」
本当はケンカなんて・・・俺はそこまでつぶやいてふと気付いた。
「あいつ寝てるときは静かなのかな・・・。」
よく考えるとあいつが寝てる姿を見たことがない。
マグロみたいなやつだからな・・・。
そう心の中で呟きながらクイックの部屋の前まで来た。
・・・は、いいが入ってもいいものなのだろうか。
ここまで来て迷う俺。うわぁ、かっこ悪い。
ここで立ち止まっても仕方ないと思い、中に入ってみる。
…あれ?明るいぞ?
まさかあいつ何もかも速いかと思ったら寝るのは遅いのか…?とか思ったのだが、ベッドの上で寝息をたてるクイックを見つけて、「やっぱり寝るのも早いんだな。」と苦笑した。
だがなんで電気が…?
そう考えて、あぁ。と納得した。暗いのが怖いんですね分かります。
そういえばおばけの類がだめだったか…こいつ。
そんなことを考えていると笑いが込み上げてくる。
くそ…!!こんなにイケメンでクール系のくせにお化け怖いとか…!!
卑怯すぎる。なんだかこのバカがかわいく見えてきたじゃねぇか。
そう思ってクイックの顔に自分の顔を近づける。
見れば見るほど整った顔つき。寝ていればうるさくねェし、バカが分かんねェし、好きになるやつもいるんだろうな…。
そんな風に考えながらクイックを見ていたら変な気分になってきた。
「…っい…今俺…」
キス…したいだなんて…!!!
我ながら変なことを考えたものだ。
キスしたい?こいつと?何を馬鹿な…!
そう思うが、こいつの顔から目が離せない。
「…チッ。」
どれもこれもこいつがイケメンだから悪い。
こんなに整った顔しやがって、無防備な顔晒しやがって、いつもはあんなに…
「…あれ?」
よく考えてみると、あいつは馬鹿でうるさくてすぐケンカになるが、俺はそれが嫌だと思ったことはなかった気がする。
ケンカなんて…とか思ったが、それも何気なく俺は楽しんでいなかったか?
あぁ…もしかして…。
これが恋か…。
目の前にいるこいつがどうしようもなくかわいくて、このままここに居続けたら本気でキスしちまいそうだ…。
そう思い、俺はいろいろとショートしそうな気持ちを振りきりこいつから離れようとした。…その瞬間だった。
「フラ・・・ッシュ・・・。」
「…ッ!!?」
こいつ…今…俺の名を…!?
なんというかいつも「ハゲ」とか「バカ」としか言わないこいつの口から放たれる俺の名は、どうしようもなく俺を狂わせた。
この部屋から出ようとした俺は、もう一度クイックの顔の前に顔を持っていき…そして…。
優しくおでこにキスした。
口にしようとしたがやめておいた。なぜかって?
「また…起きてる時にな。」
俺はそう言って寝ている兄がいる部屋を後にした。
End
あとがき
この話は、やっぱり互いの気持ちに気付いてない二人のお話でしたwww
と、いうか、気持ちに気付くフラッシュのお話?まぁ、どっちでもいいや。
これを書こうと思った理由が、「寝ているクイックって可愛いだろうな・・・いつもの騒がしさが消えて、無防備な感じで寝てるんだろうな・・・いつもとはまた違う可愛さなんだろうな・・・」と、いう妄想が文章になったものだった気がしますwww←
無防備な寝顔って本当に可愛いと思います。騒がしい子だったら、いつもとのギャップにキュンってしそうです。
・・・妄想がひどくてごめんなさい・・・orz
それでは長くなりましたがこの辺で。
ここまで見てくださってありがとうございました!
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