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小説(岩男)
暑すぎる。【光速+壊】


「あぢぃ゛ぃ゛ぃぃ・・・」



クラッシュは、ソファーにだらーっと、もたれ掛かりながらそういった。

同じ場所にいるフラッシュとクイックは何も言わないが、クラッシュと同じようにこの暑さに耐え兼ねているようだ。
その証拠に、クイックは何か呟きはじめた。
・・・超早口で。

「どう考えてもおかしいだろjk、ふつーはリビングくらいエアコン完備でいいだろ、なんでこんなときに限って修理中なんだよ、俺達ロボットは熱や寒さに超弱いんだよ、いやそうじゃないやつもいるけど少なくとも俺は弱いんだよ、絶対おかしいだろ、間違ってる」



「・・・気持ちは分かるが、少し黙ってくれないか?」


クイックの早口呟きを隣で聞いていたフラッシュから、疲れきったような声で制止の言葉がかかる。

クイックは暑さでイライラしているようで、勢いよく立ち上がり反論しようとしたが、声を荒げるとさらに暑くなることを考えて、口を何度か開閉させてからムッとした表情でまたソファーに荒々しく座りなおした。

しばらくぼーっとしていたクイックだが、ふと思い付いたようにボソッと一言呟いた。


「アイス・・・食べてぇ・・・」


「・・・アイスかぁ・・・。」



その呟きを聞いたクラッシュは、しばらく天井を見上げた後、「あ。」と、言って勢いよくソファーから体を起こした。
そしてキラキラした目でフラッシュとクイックを見つめた。




二人は直感した。



(なんか嫌な予感がする・・・)





まさにその予感は的中した。



「ゲームしねぇ?ちょっとしたやつ。」



クラッシュがニヤリと笑みを浮かべながらそう言った。
こういうときは、大概何か企んでいる。




「・・・何が目的だ?」


フラッシュは読んでいた本を横に置くと、嫌そうな顔でそう聞いた。
クイックも同じような顔をしてクラッシュの方を見ている。

フフンと笑ったクラッシュは「さすがフラッシュ、おみとおしだねー」と言った。


「俺だって分かるさ!お前が目をキラキラさせるときって悪いことしかねぇじゃねぇか。」

クイックも大体予想していたのでため息をついてそういった。




「・・・あと、お前が提案したことは絶対ってこともな」


「アッハハ!さすがだね!ってわけでやるか、『マジカルアイス』!」





「「・・・は?」」



フラッシュとクイックは「それって・・・」と言って互いに顔を見合わせた。
クラッシュは笑いながら「そ、『マジカルバナナ』のアイスから始まるバージョン。」と言った。



「なんであえてアイスなんだ?」


クイックはそういって首を傾げた。


「なんていうか涼しそうだからっていうか、クイックが『アイス食べたい』って言ったから思い付いたからっていうか・・・」


「ま、そんなとこだろうとは思ってたけどな。」




クラッシュからの想像通りの返答に、フラッシュはため息をついてそういった。


「ちなみに、負けた人は『アイス三人分を自分の奢りで買う』!」


「「はぁっ!?」」

「もし、ここに来るまでに溶けてたらもっかい買いに行ってね。もちろん自分の金で。」


「「・・・・・・!」」


あまりに横暴すぎる。
フラッシュとクイックはそのあまりに酷すぎるルールを聞いた瞬間、驚きの表情で沈黙した。
クイックはアイスが食べたいからまだいいが、フラッシュに関しては『アイスなんていらねー』というところだ。



「・・・あー、クラッシュ?これはアイスいらないって言ったら・・・」


「もちろん強制参加。」


フラッシュは、クラッシュがニヤリと笑ってそういうので、肩を落として「・・・ですよねー。」というだけだった。
クイックは、どうせ参加しなくてはいけないだろうし、アイス食べたいので何も言わなかった。
もちろんクイックの中に負けという言葉はない。



「じゃあ、始めるよ!
マジカルアイス、『アイス』と言ったら『冷たい』。冷たいと言ったら?」


「『最近の俺に対するクイックの態度』。『最近のおr((ry 』と言ったら?」



「っちょぉぉい!?待て!おかしいだろ、今の!!」

フラッシュの言葉にクイックは「心外だ」という顔をする。
だが、そんなクイックを無視して、クラッシュは「早く言わないと負けだよ?」と言った。


「・・・『最近のフラッシュに対する俺の態度』と言ったら・・・て、『照れ隠し』。『照れ隠し』と言ったら?」



フラッシュは「えッ!?」という顔でクイックを見る。
クイックは絶対フラッシュの方を見ないようにしていたので、幸いにも顔が真っ赤だということに気づかれなかった。


「・・・『照れ隠し』と言ったら『エアーの俺に対する態度』。『エアーの・・・」
「何で態度の話ばっかりなんだよ!!」


「しかもエアー兄貴かよ!」


クイックとフラッシュは耐え兼ねて突っ込んだ。
クラッシュはため息をついて「やっぱこのゲームやめようか」と言った。
まさかクラッシュから「止めよう」という言葉が出てくるとは思っていなかったフラッシュとクイックは同時に「「えっ?」」と言った。
クラッシュはそんな二人を一瞥すると、もう一度ため息をついてこういった。



「だってこのゲーム、涼しくなるどころか暑くなるし。」


「・・・ッ!」



クラッシュと目があったクイックは、バッと目を逸らした。
一番美味しい思いをしたフラッシュは、ぼーっとして「照れ隠し」という言葉の意味を考えていた。
頭はいいのに鈍感なフラッシュは、それがどういう意味なのか理解するまでに少し時間がかかったが、分かった瞬間にクイックに抱きついた。



「・・・・・・!?」


抱きつかれたクイックは、まるでタイムストッパーを使われた時のように静止した。


「俺、今すっげぇ嬉しい!」

「・・・わ、分かったから離れろ!このハゲっっ!!」


クイックは真っ赤になってフラッシュを引きはがそうとしたが離れなかった。
しばらくすると、照れと恥ずかしさと暑さでクイックから煙が出てきた。



「く・・・クイックー!?や、やべぇ!オーバーヒートしてやがる!!メタル!大変だ!クイックがオーバーヒートしたァァ!!」


フラッシュはクイックを抱き抱えながらそういって、メンテナンス室へと走って行ってしまった。




クラッシュは、一人残された部屋で一言呟いた。











「もう、やだ。あのバカップル。」















End











あとがき


久々の岩男小説でした!
一番かわいそうなのはクラッシュですね!
ごめん、クラッシュ←


あまりにも最近暑いから、ついカッとなって書いた。
反省はしている。
だが、後悔はしていない。←


やっぱ、光速の二人はバカップルだと思う。
それにしても「マジカルアイス」に入るまでのくだりが長すぎると思う←


・・・何だかgdgdした文とあとがきになってしまいましたが、
ここまで見て下さった皆様!
本当にありがとうございました!!

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あきゅろす。
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