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小説(岩男)
◆お前に捧げる鎮魂歌(レクイエム)【光速】 (少しグロ表現が含まれます)








生きていれば一緒に笑える。







生きていれば一緒に喧嘩ができる。








生きていれば二人で愛し合うこともできる。














そう・・・生きていてくれれば…それでよかった…。













お前に捧げる鎮魂歌(レクイエム)










フラッシュが壊され、起動不可能になったと聞いたのは何時間前だっただろうか。


いや、何日かもしれない。




もしかしたら何年かもしれない。






とにかく、今の俺には一秒すらとてつもなく長く感じた。






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ロックマンが侵入してきたという報告が入り、フラッシュは戦場に行った。








もちろんフラッシュが負ける訳無いと俺は思っていた。


ましてや、核(コア)が破壊されて起動不可能になるだなんて、俺は、予想も、していなかった。







モニターの前で撃ち抜かれるフラッシュが映し出されている。

フラッシュの機体が宙に浮いたかと思うと、床にたたきつけられた。







俺には信じられなかった。




それどころか意味すら分からなかった。






ただ、泣き叫ぶクラッシュや二人の弟達の声と厳しい声で指示をだすメタルの声がやけにうるさく俺の聴覚機能に響いていた。



俺は・・・モニターの前で茫然としていた。






なんだ?何が起こったんだ・・・?








分からない。






いや、分からないふりをしているんだ。


それは分かってる。でも・・・知りたくなかった。









「フラッシューー!死んじゃやだああぁ!」



クラッシュの言葉が聴覚機能に入ってきた。





死ぬ・・・?死ぬってなんだ?






俺はそんなの知らない。


知らない・・・

知らない
知らない
知らない
シラナイ
シラナイ





そんなの・・・!





「うわああああアアあァァァァァ!!」








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それからの記憶はない。






気付いたらまわりが敵だらけだった。




いや、敵じゃなかったかもしれない。



でも・・・今の俺にはそんなの関係なかった。









「うあ゛あ゛ぁ゛ぁぁ!!」






俺は敵の中に突っ込んでいった。




手にしたブーメランで確実に敵の首と胴体を切り離す。
その瞬間、ブシャャアァァ!という音を立ててオイルが噴水のように吹き出す。


ブーメランはオイルで濡れ、俺の機体もオイルだらけだった。





「ハァ・・・ハァ・・・!」





俺は息を切らしながら敵の中を駆け回った。





今の俺にはすべてが敵にしか見えなかった。





フラッシュマンという存在を消した世界・・・それすら今の俺には憎い。








「・・・なんで、俺じゃ、なかったんだ!」





俺は敵を斬り殺しながらそう言った。






そうだ・・・



なんで俺じゃなかったんだ・・・。







俺はフラッシュがいないと生きられないというのに・・・!









斬り殺した敵のオイルが自分にかかる。




俺はそれを拭うこともせずにひたすら斬りつづけた。





ズシャッ!





グシャッ!







敵が斬られる音が響く。




そのあとにはオイルが吹き出すブシャアァァという音。





そして敵が地面に沈む音。








それはまさに音楽のよう。





俺が駆ける音は曲の速さ。




俺が振るうブーメランの空を切る音はメロディ。






敵が奏でるのは裏メロと低音。








俺は敵を斬りながらその音楽を聞いた。








・・・いつの間にか目から涙がこぼれていたらしい。


目から頬にかけて生暖かい感触を感じた。






でも俺は拭わなかった。





俺は拭うかわりに、もう会えない彼の名を呟いた。










「フラッシュ・・・」








大切な俺の弟・・・





そして大切な俺の恋人・・・











「・・・これは俺からの






お前に捧げる鎮魂歌だ。」











End




あとがき




・・・かわいそうなお話でごめんなさいm(_ _ ;)m

クイックはフラッシュが大好きでどうしようもなくて・・・失ったら訳わかんなくなるんじゃないだろうか。
と思った。


殺し=鎮魂歌(レクイエム)
は某マンガから。


なんとなくそのことを思い出したので書いてみたらかわいそうなお話に・・・orz




でもたぶんフラッシュはそんなこと望んでなくて、クイックにはいつも幸せな顔をしていてほしいと思ってたらいい。
だからクイックが斬り殺す姿をどこかで見ることができたら、「俺のせいだ・・・!」と悔やんでいてほしい。



二人とも自分を責め続けてズタボロになっちゃうのか・・・。

フラッシュはもう体はないので心が。
クイックは心身もろとも。



・・・ロボットにも魂みたいなのがあるのさ。
だから誰にも見えないけどフラッシュはクイックを見てる・・・


そんな俺の妄想\(^p^)/←



・・・今回もよく分からないものをここまで長々と見ていただき本当にありがとうございました!

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あきゅろす。
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