もう一度 (跡部・捧げ物)
もう一度
――forりぃ
「また振られたのか。お前も懲りねぇな」
「うるさいなあ・・・。私が振られる度にからかいに来るのやめてよ・・・。
景吾にからかわれると、ものすごく落ち込む」
これで3人目。1か月に3人に振られるなんて、私ももう終わりかもしれない。
というか、もう終わっているのかもしれない。
まだ生まれて22年なのに。
「仮にもお前は俺の婚約者だからな。婚約者の恋愛遍歴は把握しておくべきだろ、あーん？」
「婚約者じゃないもん！そんなの親同士が勝手に決めたんだもんっ」
「だからわざわざ、『仮にも』って言ってやったんだろうが」
「そりゃあどうも」
跡部財閥の跡取り息子の跡部景吾(20)は、私の婚約者(仮)だ。
そして・・・掘り返すと面倒なのだが、元恋人である。
別れたのはちょうど1か月前。
理由は景吾の放置プレイ。
いくら忙しくても、会うことはおろか、メールも電話も2週間ずっとないなんて・・・私は耐えられなかった。
「お前は焦りすぎなんだよ、バカ。俺様を見習え。ふっ」
「景吾のどこを見習えって言うのよ。傲慢で横暴で自己中なとこ？」
「お前・・・ケンカ売ってんのか？あーん？！俺様の優雅さを見習えっつってんだよ！」
別れるまでは、それなりに甘い関係だった。
だけど別れてからは、2人共どこかキリキリしていて、おかしな言い合いばかりしている。
「景吾、今日はもう大学ないの？」
「ああ」
「ふーん・・・」
続かない会話。
この男は本当に、私が婚約者だからというだけの観点でしか、私に興味がないのだ。
私がどんなに景吾を想って、振り切ろうとして新しい恋に走っていたとしても。
「・・・悲しいなあ」
「ああ？何がだよ」
景吾は、私の部屋の書棚を物色している。
からかいに来たとわかっているのに、景吾を部屋にまで上げてしまう私は・・・未練だらけの醜い女だ。
「景吾は新しい恋、しないの？」
「俺が自分から恋を追いかけると思うか？」
「・・・思わない。だけどそろそろ、追いかけたいと思うぐらいの女見つけた方がいいよ」
「なんでお前にそんなこと言われなきゃなんねーんだよ」
私はぐっと歯をくいしばった。
そうでもしなければ、涙が溢れてしまうだろう。
そんなことをしてしまえば・・・私は景吾と、二度と目も合わせられないかもしれない。
「早くいい人見つけて、私を景吾の婚約者って位置から外してよ」
景吾は私が「別れよう」と言った時、いつもと変わらない表情をしていた。
しばらく沈黙が続いて、その間ずっと、うつむく私を見ていた。
そして、「わかった」と言ったのだ。
もう終わったことだ。
なのに私はどうしてこうなんだろう。
まだ、景吾が好きで好きで・・・抱きしめて欲しくて堪らないのだ。
ついに、涙が溢れた。
「・・・泣くほど嫌なのかよ」
「ちがっ・・・そうっじゃ、ないっ・・・」
私が座っているソファーの前に立ち、私がうつむかないようにか、髪を撫でながら上を向けるよう力を入れる。
「じゃあなんで泣いてんだよ」
コツン、と何かが額に当たる。
涙を拭うために目元を覆っていた手をどけると、至近距離に景吾の目。
「っ・・・！？」
「逃げんじゃねえ・・・」
腕を掴まれて、そのままゆっくりソファーに押し倒される。
「け、ご・・・？」
状況が変わった。
私の瞳は見開いているがために、一瞬で乾く。
「・・・いいか、一回しか言わねぇぞ・・・
俺は、ずっと・・・お前だけを追いかけてんだよ」
目が乾いて痛くなってきたところで、さっきとは真逆の意味の涙が流れる。
「・・・俺が悪かった・・・。もう1人にしねぇよ・・・。だから、俺様の女になれ・・・もう一度・・・」
優しく触れた唇が、少し懐かしい。
離れていた1ヶ月分を振り返って泣き続けた私を、景吾は・・・ずっと抱き締めていてくれた。
――end
なんか甘いのはラストだけですね・・・笑
申し訳ないですorz
跡部はもっと勉強しないといかんな・・・。
閲覧ありがとうございました！
2009.08.31(月)
良唯
そして、9月1日生まれの大好きな友人に超私信。
↓
Dear★りぃ
りぃ、誕生日おめでとう！！！
そして暑中見舞いありがとう！！！(遅)
それはそうとして、本当に本当に誕生日おめでとう。
りぃに会えてほんっっとうによかったよ！！
生まれてきてくれてありがとう(´∀｀)☆！！
これからも末永くよろしくね！
りぃ大好きだー！！！！！
りぃにとってこの１年が、幸せな１年になりますように...
From★良唯
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