きみからのプレゼント


朝です、朝。
おはよーございます。


「honey!Good morning!」

「グッモーニン、政宗・・・」


ふああああ、と大きな欠伸をしてまだ寝ている脳みそに酸素を一杯送りこむ。
あはは・・・政宗ほっぺた腫れてるよ。


「honeyの愛の鞭は効いたぜ・・・!」

「・・・うん、ただ夜這いを阻止しただけで決して愛の鞭じゃないよ。」


そう、一緒の部屋で寝るだのなんだの言いだした政宗にビンタしました。
わたしは出会って(一応)2日目の男にアゲルほど軽い女でも安い女でもない。
・・・・・・なんて言ってみたかっただけで。
本当は追い出したのに、おやすみの挨拶だとか言って頬にキスされ驚きでビンタしただけだ。
そう、わたしは出会って(以下省略)


「honey!今日は城下へ行くぜ!」

「え、いいの?仕事は?」

「It was all ended yesterday.」

「・・・・・・はい?ごめん、わたし英語1だって・・・全然わからないっていったじゃん。」

「Sorry、昨日全て終わらした。」


だから行くぞ、と手を引っ張られて城下・・・・・・と思えば城のどこかの部屋に連れてこられた。


「あのー?城下は?」

「その格好じゃマズイだろ。これに着換えろ。You see?」


渡されたのは薄い桃色の着物・・・わあ綺麗!
じゃなくて!わたし着物なんて着れないよ!
なんて言えば廊下に居た女中さんを呼んで着付けをお願いしてくれた。

仕事中なのに申し訳ないなと思えば、これも仕事のうちでございます。と笑って言われてしまった。あれ、また声に出てたのか。



「似合うじゃねえか。」

「なんか七五三の気分・・・。」


綺麗に着付けしてもらって、髪の毛まで軽く結ってもらってしまった・・・。
すいませんホント、至れり尽くせりですね。はい・・・。




政宗も着流し姿でいざ城下!と向かって色々お店を見てます。
わたしが見たこともない景色にワクワクしてつい足早に進んでしまう。
もうちょっとゆっくり見なきゃ、と自分に言い聞かせて歩くことすぐ。
雑貨屋さんの様なお店が見えたので中に入ってもらうことにした。

「うっわー!可愛いものが沢山!あ、ねぇこれ何?髪飾り?」

「Yes. 簪か。」


和服自体初めて着たわたしが(七五三は除いて・・・ッ!)簪なんて和の髪飾りを名前以外知るはずもなく、初めて見るその簪に綺麗だね。と言えばどれがいい?なんて聞かれた。
あれ、なんかこれカップルの会話みたいじゃない?

「これかわいー!」
「じゃあ俺が買ってやるよ」

みたいな。違う、カップルの会話じゃない・・・今のわたしたちの会話だ・・・ッ!


「どれにすんだ?」

「・・・・・・これ、」


なんだか急に恥ずかしくなってきて、多分・・・顔が赤いだろう。
政宗にそんな顔見せられなくって、下を向いたまま飾りを選んだ。
着物の桃色と同じく、薄い桃色で描かれた桜の簪を。


「OK ちょっと待ってろ。」


店主にお金を払い、選んだ簪を手に戻ってきた政宗。
そのままわたしの髪の毛に触れ、似合うじゃねーか。なんて笑った。


もう一度顔が赤くなった気がするのは、この慣れない雰囲気のせいだと信じよう・・・。


(きみからのプレゼント)





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