チョコレートの素晴らしさ


送ってく条件に、と何故か奥州滞在を言い渡されたわたし。
いや別に急いでるけれど(チョコはもう溶け始めている)奥州も見てみたかったからすぐには出発する予定無かったんだな、これが。


で、あの後。政宗が城でも案内してやるよって言ってくれたんだけど、仕事が溜まってるとかでこじゅに連れて行かれた。あはは、頑張れ政宗。
その代わり、政宗の従兄弟の成実ちゃんに案内してもらえって言われた。


「ねぇねぇ成実ちゃん。」

「いや俺なるみじゃなくてしげざね、ね?」

「いいじゃん、成実ちゃんで。成実ちゃんの方が呼びやすいもん。」

「えー・・・。じゃあ俺はゆきって呼び捨てにする。」

「いいよいいよ!ゆきって呼んで!そうだ!成実ちゃんの機嫌の直るものあげる!」


はいっ、と掌にチョコレートを一粒のっければこれ何?的な視線を向けられた。


「それ、わたしの所のお菓子!甘くて美味しいから食べてみてよ!」


包みを剥がしたものをも一度掌にのっけて、ほら!と半ば強引に口の中につっこむ。


「え、ちょッ!ゆき!」

「おいしー?」

「・・・・・・うまい。」

「よかった、成実ちゃん♪」

「はぁ、いいよもう。成実ちゃんでもなんでも。」

「ありがとう!」


成実ちゃんとちょこっと仲よくなれたところで城の案内が開始された。
色んなところを案内されて、あそこは抜け出すのに便利。なんてことまで教えてもらっちゃった!


「お城って広いんだね?ビックリだわー。」

「何言ってんのさ?」

「いやー、初めて見て回ったもんで・・・」


あ、成実ちゃんにはこの世界の人間じゃないって言ってないんだった・・・。
怪しまれたかな・・・?


「まぁ普通、必要のない場所まで行かないからねー。」

俺らの秘密の抜け穴まで案内しちゃったし。と気付いてない様子の成実ちゃん。
良かったー!説明ってどうも難しくてきらいなもんで・・・。


「ほら、そろそろ梵の所戻るよ?」

「はーい。」


空が赤く染まってきたころ、政宗の居るであろう部屋へと向かった。

今日はちょっとだけ、成実ちゃんと仲よくなれたきがしたのでした、まる。
それにしてもチョコの餌付効果・・・・・・は、素晴らしい。


(チョコレートの素晴らしさ)





あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!