これもバレちゃった


二人が黙って数分、ジェームズが思い付いた様に声をだした。


「あっ!ねぇ、もしかしてだけどその彼女のことすきなのかい?」

「はっ?!そうなのかよリーマス!」

「ど、うして?」

「さっきの君の顔が恋してる顔に見えたからね!」


黙り、暗くなった雰囲気はどこへいったのか。
ジェームズの一言でいつもの雰囲気が戻りつつあるがまさかそこまでばれてしまうとは思わなかった。
さっきとは、ラナを思い出し彼らに伝えた言葉だろうか。
笑ったり、一生懸命だったり、僕らと変わらないじゃないか、って。
その時の顔・・・、どんな顔をしていたのだろうか?


「ふっふっふ!僕にはわかるよ、なんたって僕もリリーを愛してるからね!」

「ちょっとお前は黙ってろっ!で、どうなんだよ?」

「・・・ジェームズの言うとおりだよ。」

「お前、村の掟忘れたわけじゃないだろう?」

「・・・忘れてない、よ。」


人間に恋するべからず。
それは村の掟で、今まで絶対ないだろうからと忘れていた・・・。


「・・・忘れてたんだな。」

「あちゃー、でも恋しちゃったら止めらんないよねっ!僕も毎日ドキドキでもうどうしよう!」

「だからお前は黙ってろって!・・・・・・はぁ、しょうがねぇな。」

「え?」


ため息交じりに笑い、ジェームズと顔を合わせるシリウス。
そんな二人に僕は意味がわからないと首を傾げれば二人はこう言った。


「俺たちは何も聞かなかったことにするぜ。」

「うん、僕らは何にも知らない、君が誰と会ってるのかも。」

「だから今までどおりでいいんじゃねぇか?」

「うんうん、やっぱり愛は勝つ、だよねっ!」

「二人とも・・・」


つまり、僕がラナに会おうが知らないふりをしてくれると言うわけで。
村人にも言わないと、そう。


「まぁ、親友の初恋くらい応援してやんなきゃなー!」

「うんうん!あ、でもいつかはその彼女に会ってみたいよね!」

「玉砕覚悟でジェームズみたいに頑張れよっ!」

「ちょっと!僕が玉砕してるみたいに言わないでよ!」

「二人とも、ありがとう。」


お礼を言っても二人は笑顔で返すだけ。
僕は本当、最高な親友に囲まれて幸せだと思った。



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あきゅろす。
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