バレちゃった


今日もラナに会い、家へと帰れば中には親友であるジェームズとシリウスがいた。
どうしたのかと二人に訪ねても無言、僕の顔を見て、お互いの顔を見て。
そのまま数分が過ぎたころ、やっとジェームズが口を開いた。


「リーマス、最近毎日森へ行ってるけれど何かあったのかい?」

「・・・え?なんにもないよ、」

「それ、ウソだろ?お前から毎日・・・、薬草の匂いに混じって知らないやつの匂いがする。」


彼らにばれてしまった。
シリウスは犬だから鼻が利く、もしかしたら最初から気付いていたのかもしれない。
それでも今言うということは、彼はずっと黙っていてくれた?


「・・・ごめん、ウソついて。」

「やっぱり誰かに会ってたんだな。」

「うん、買い出しの帰りに森で会ったんだ。」

「・・・それって人間かい?」

「・・・うん、彼女は人間だよ。」


僕の言葉を聞いて二人の目は大きく見開かれた。
そして多分、僕の正体がばれていることにも気付かれたんだろう。


「いいかい、リーマス。僕らは獣人だよ、だから必要以上に人間に関わるべきじゃないんだ。」

「正体がばれた人間をどうするかなんて、お前も知ってるだろうーが。」


二人の言っていることは正しい、それはわかっている。
わかっているのに従えない僕がいる。
確かに僕らは獣人で、必要最低限でしか人間に関わらない。
そして僕が最初にラナにしたように、ホントならそうしなければならないこともわかっている。
だけど、それでも、それでも。


「リーマス、僕らは君が心配なだけなんだよ。」

「ああ、過去にも人間に関わって傷つけられたやつらが居ただろ。お前までそうなっちまったら・・・。」

「僕は・・・、僕は、」


言葉が出ない、喉の奥で詰まって出てこない。
親友が僕の心配をしてくれるのは嬉しい、だけど彼女を知りもしないのに人間と言う枠だけで見る彼らに少しの怒りが沸く。
・・・・・・だけど僕もそうだったじゃないか、ラナに出会うまでは。
人間は物騒だなんだと、よく知りもしないのに勝手に決め付けて。
彼女に会って初めて、人間を知ったんじゃないか。


「僕は今まで人間のことを良く知りもしないで、勝手な決め付けで見ていたんだ。でも、彼女に会って初めて人間を知って、彼女を信じたいって思ったんだよ。」

「でも・・・、よ」

「うん、僕の知ってる人間は彼女だけ、だけど僕らと違う所よりも同じ所の方が多いんだよ?笑ったり、一生懸命だったり、何かを作ったり。」

「・・・そっか、」


僕の言葉に二人は黙る。
心配してくれた友にごめんねとありがとうを。



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あきゅろす。
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