名前変換なし


最初の印象はよく笑う人。

年に一度だけ彼に会えた。
遠目に見た彼に惹かれてしまった。


次の年は名前を知れた。
話してみたかったけれど恥ずかしくて結局話せず仕舞いで少し後悔したのを覚えてる。


その次はやっと話せたんだっけ。
上手く話せなくて、恥ずかしくって、また後悔した。


やっと上手く話せるようになるようになるまでそれから2回もかかって、ようやく彼の年齢を教えてもらえたんだっけ。
私よりも10も上で大人と子供、彼の扱いが私にそう感じさせた。


私だってそれなりに成長して、「綺麗になったね」なんて冗談のように言われて浮かれてるなんてあなたは知らないでしょう?
その後「小さなころから知ってるからね」なんて言われたら、あなたが私をまだ子供として見てるとわかって落ちてく気持ち、あなたは知らないでしょう?

一年に一回の恋。
忘れたくても会う度思い出すこの気持ち、あなたは知らないでしょう?



「あのね、あなたが好きなの。」



そう言いたくても言えない。
なんて臆病なんだろう。
言わなければ来年もこうしてあなたと会える、笑える、だから言えない。

この温い関係が終わらない様に、私は今年もただ笑うだけ。









「あ、紹介するね。この人僕の奥さん。」


なんて残酷な終わりだろうか。
あなたは今まで見たこともない様な笑顔でその人を紹介する。

最初から私なんて眼中に入ってなかったのね。
こんな終わりなら言葉にすればよかった。
後悔したってもう遅いのに。


私ちゃんと笑えてる?
笑顔でちゃんとおめでとうって言えてる?
ごめんなさい、まだ心から祝えないの。
だって私まだあなたが好きだから。



「年に一度会えるきみに、恋をしてました。」



初恋は叶わないってホントね・・・。




(一年に一度、きみに恋をした)






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あきゅろす。
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