リマ
「…ぃ」
ん…なんか聞こえ…る。
「おい」
「おいっ!起きろってんだ馬鹿姉貴!」
「ぎゃあっ!」
「朝からうるせーよ。電話、なってんだよ。早く出ろ」
寝ていたソファーから蹴落とされれば誰だって寝起きに悲鳴もでるわ!何この起こしかた!昔みたいに可愛くお姉ちゃん起きて(はあと)と起こせないわけ?この子は。
「なによ!人がせっかく気持ちいい眠りについてたっちゅーのに!なにしてくれんのよこのばか!」
「この野郎…電話切るぞ」
「は?電話…?誰からよ…、こんな朝早くからかけてくる馬鹿野郎は!」
まったく誰よ。こんな朝早くからわたしを起こす阿呆は。文句の一つや二ついってやろうじゃないの。
「もう昼の12時過ぎたけどな。ちなみにリーマスから」
「うぇ?!リ、リーマス?!」
「そして今の会話とお前の文句、全て筒抜けだろうな」
ざまあみろ、と笑った弟、シリウスは笑いながらどっかいった。すんごいムカつく。取っ捕まえて殴ってやりたいが、そんなことより今は筒抜けだったであろう電話相手、リーマスにどう謝ろうかで頭が痛い。
「あ、あのぅ…」
「ああ、朝早くから電話で起こしちゃった馬鹿野郎だけど?」
にっこりと、それも目が笑ってないそんな笑みを浮かべているであろう姿が瞬時に浮かんだ。
「や、あの、はい、えっと」
「どっかの誰かさんがデートの約束時間になっても来ないから、起こそうと電話したんだけどね?」
「いや、あのですね、忘れてたわけでは………………ごめんなさい」
受話器片手に目の前にいない相手に向かって土下座をする、もうおでこが擦り減るくらい。そんな行為を果して何人がしたことあるのか。ちなみにわたしはもう10回はしたことあるかな…。
「土下座はもういいから早く支度しなよ。今から迎えに行くよ」
「ワカリマシタ」
土下座してるなんてなんで知ってるんだ。あ、そうか。黒属性だもんね、キニシチャダメダ。
「そんなにお仕置きしてほしいんだね、なまえは」
「め、滅相もござりませぬ!じゃ、じゃあわたし支度するからまたっ!」
ガチャンと一方的に電話を切りダッシュで支度を始める。来るまでに終えてなかったら何されるかわからない!
ぴんぽーん
「おい、リーマスきたぞ」
「やあ」
「まだ5分も経ってないんですけどおおおおおっ!」
(時間を戻して、電話さん)
「あーあ、終わってないの?」
「5分でできるかあ!」
「はい、お仕置き決定ね」
「い、いやだあああああ!」
こんなわたしたちは彼氏彼女な関係………のはず。
「お前らうるさいからさっさといけよ…」
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