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ぬらりひょんの孫 〜天狐の血を継ぐ陰陽師〜
番外編 一か月遅れのホワイトデー企画
琥珀「さて、男性諸君。お集まりいただいたのは他でもない。今日が何の日かわかってるよね?」

一同『ホワイトデーでしょ?一カ月遅れの(・・・・・・)!!』

琥珀「はい、その通りです!ごめんなさい!!(土下座!!)」

昌彰「いくらなんでもこれは無いんじゃないのか?」

琥珀「どうしてもやっておきたかったのさ!!夢幻さんに素敵なバレンタイン企画を書いてもらっておきながら放置なんてしたくなかったんだよ!!」

零牙「まぁ、ミアにまだきちんとお返ししてなかったからちょうどいいですけどね」

琥珀「ほ、ほら。零牙くんもこう言ってるし、素直にお返しを渡そうよ。ね?」

昌彰「はぁ…ま、いいけどな。ゆらにもお返しわたして無かったし…」

琥珀「さて、気を取り直して皆さんのお返しの品を見せていただきましょう!零牙くんのは?」

零牙「ベイクドとレアの二層チーズケーキです。他にもありますけどね」

琥珀「凝ってるね。自分も好きなんだよね、チーズケーキ…」

零牙「あげませんよ(苦笑)」

琥珀「人の物をとる趣味はないよ。さて、昌彰くん。キミは?」

昌彰「メロンパンとクリームパンだけど」

琥珀「?珍しいね」

昌彰「今持てるパン作りの技術と菓子作りの技術の結晶体だ」

琥珀「なるほど、普段作っている二つを融合させたんだ」

昌彰「もちろん全て手作りだぞ。カスタードクリームから」

琥珀「それまたすごい凝りようで…ゆらちゃんは愛されてるな。さて十二神将の皆さんは?」

朱雀『定番なのかは知らんがクッキーだ。一応手作り』

玄武『昌彰に教えてもらってな』

青龍『ふん…』

琥珀「あれ?一人足りなくないか?」

青龍『騰蛇なら出かけているぞ?』

琥珀「企画放り出してどこに?」

青龍『知らん。だがこんなものが散乱していた』

琥珀「『別府地獄巡りツアー』?九州まで行ってるのか?」

昌彰「それよりも早いとこ渡したいんだが?」

琥珀「そうだね。それでは女性陣の入場です!」

女性陣一同『遅いっ!!』

琥珀「すみませんでしたぁ!!!(ひたすらに土下座。額は既に地面と一体化してます)」

ゆら「お返しずーっと待っとったんよ?」

ミア「そうだよ。一回デートしたくらいじゃ割に合わないくらい待たされたんだから!!」

天一『まぁお二人ともそう怒らずに…お返しがもらえるだけでもいいじゃないですか?』

太陰『そうよね。下手したらもらえなかった可能性さえあったんだから』

琥珀「ホントにすみませんでした。(怖いよぅ…)と、とりあえず男性諸君!お返しのプレゼントを渡して下さい」

昌彰「ほい、遅くなってすまなかったなゆら」

ゆら「ありがとう///今食べてもええ?」

昌彰「もちろんだ」

ゆら「じゃあ、頂きます。はむっ…」

サクッ モグモグ…

昌彰「どうだ?」

ゆら「ん…うまい…今までで一番うまいかもしれへん…」

昌彰「そ、そうか?よかった…」

琥珀「ミアちゃんは?」

ミア「さすがにホールのままは…」

零牙「ああ、ごめんミア…ほい!」

ヒュン ヒュン ヒュヒュン!

琥珀「…お見事…」

ミア「すごいねレイ!空中で綺麗に八つに斬り分けちゃった…」

零牙「たいしたことない。それよりミア、はいフォーク」

ミア「いつの間に?…頂きます」

モグモグ…

零牙「どうだ?」

ミア「おいしい…お兄ちゃん(修)のよりもおいしいよ!」

零牙「御褒めに預かり光栄です…///」

琥珀(コソ〜…痛ッ!)

零牙「それとコレも」

ミア「今開けてもいい?」

零牙「ああ…むしろ今すぐ開けてくれ」

ミア「じゃあ…」

ガサゴソ

ミア「十字架《クロス》のペンダント?…あ!」

琥珀(自分は既につけているとは…演出細かいな零牙くん…)

零牙「十字架なら俺がしてても不自然じゃないし、制服の下に隠れるからいつもつけられるかなと思って…」

ミア「レイ…(えへへ…レイとお揃い…)」

零牙「そういえば朧月さん…リュウの奴はどうしたんですか?」

琥珀「ああ、リュウくんは…呼んでも来そうになかったから…闇討ちしてミユちゃんのところに直接お届けしてきた」

零牙「それはまたすごいことを…」

琥珀「音声だけつないでみよっか?」

ガガッ…ガピッ!

ミユ「さ〜て…リュウ、早くちょうだい!」

リュウ「ちょ…待てミユ!!それ以上は…ホント待てって!!」

ミユ「なんで?今日一日はリュウは私へのプレゼントなんでしょ?もうちょっとでイケそうなんだから…」

リュウ「だからってそれ以上はホントにヤバいって!…うぅっ…」

ブツンッ!

琥珀「さ、さぁ十二神将の皆さんは!?」

零牙「ちょっ!?」

昌彰「作者!こんなところで放置するな!!」

琥珀「…映像付きで確認しとく?」

零・昌「「遠慮します!(する!)」」

琥珀(まぁ実際は…)

―――

リュウ「ミユ…ホントに勘弁してくれ!それは今月の俺の全財産…」

ミユ「いいでしょう?ずーっとお返し待ってたのに何もなかったんだから」

リュウ「だからってひとをゲーセンで財布代わりに使うなぁ!!」

ミユ「往生際が悪いよリュウ。許嫁を放っておいた罰!ミアちゃんはレイとデートに行ったけど私は何にもなかったんだからね!!」

リュウ「うぅ…ミユ…それホントに最後の五百円…」

ミユ「これでダメだったら諦めてあげるから」

リュウ(そう言ってそのクレーンゲームにいくら注ぎ込んだ!!?)

ミユ「あともうちょっと…あ…ヤッタァ〜〜ッ!!」

リュウ「(取れたのか…)で、ミユいったい何をとったんだ?」

ミユ「えへへ…リュウ、手を出して」

リュウ「ん?はい」

ミユ「そっちじゃなくて左手!」

リュウ「イテ!いちいち抓らなくても…はいはいこっちでいいのか?」

ミユ「んっと…よかったぴったりみたい!」

リュウ「ってミユ!?」

リュウが自分の左手を見てみれば…薬指に輝くシルバーのリングが見える。

当然それと対になるモノがミユの左手にも輝いているわけで…

ミユ「ペアリング…これでリュウは私のモノだね!」

リュウ「〜〜っ!!(ペアリング(こんなもの)つけてたら確実にFFF団に殺られる!)」

ミユ「リュウ…学校でもちゃんとつけててね?」

―――

サクサク モグモグ

朱雀『どうだ?』

天一『朱雀…すごくおいしいです』

朱雀『そうか!!まだたくさん作った!どんどん食べてくれ!!』

天一『ありがとう朱雀…でも…』

朱雀『ん?』

天一『あまり食べ過ぎると太ってしまいます///…』

朱雀『なんだそんなことか。オレが太ったくらいで天貴を見捨てたりするわけ無いだろう?』

天一『朱雀…』

琥珀(…このバカップルは…というか十二神将って体型変わるのか…?)

玄武『…どうだ太陰?』

太陰『うん…。げ、玄武がつくったにしては悪くないんじゃない?』

玄武『…それは褒めているのか…?』

太陰『だから!おいしいって言ってるでしょ…』

玄武『そうか。ならば良い』

琥珀(なるほど…太陰はツンデレだったのか…)

青龍『……』

天后『青龍…フフフッ…』

青龍『似合わないことをしたな…』

天后『そうでもないですよ?ありがとうございます青龍』

青龍『っ!…ところで琥珀よ。騰蛇達はどうするんだ?』

琥珀『ん?後で報告来るでしょ。一応休暇扱いだし』

††††

ところ変わって−九州、別府−

騰蛇と勾陣、十二神将最強とそれに次ぐ凶将は二人揃ってその地にいた。

二人の眼前には紺碧に染まった池が広がっている。

勾陣「どういう風の吹きまわしだ?お前から旅行に誘ってくるなど?」

騰蛇「…いや、二か月前の礼だ…」

勾陣「二か月前?」

騰蛇「あ〜…だからチョコの…」

勾陣「ああ、バレンタインの…もしやと思うが騰蛇よ?日付を一カ月間違えてないか?」

騰蛇「勾…ワザとやってるだろ?」

勾陣「おや、察しがいい…」

騰蛇「〜〜っ…作者(あのバカ)の都合だ。全く…予約取り直したり大変だったんだぞ…」

ニヤリと笑う勾陣に騰蛇はガリガリと頭を掻く。

勾陣「しかしいいのか?私たち二人だけこんな…」

騰蛇「構わん。琥珀曰く『もうしばらく出してやれそうにないから二人で旅行にでも行ってきて』とか言ってたからな」

勾陣「そうか…まだ…」

騰蛇「寂しいのか?勾よ」

勾陣「まさか…ただ戦う時に背中が落ちつかん」

そう言って勾陣はすたすたと次の目的地へと向かうバスへ乗り込もうとする。

騰蛇「ったく…待てよ勾!」

騰蛇が追いかけるも結局次の目的地まで答えははぐらかされ続けるのであった。

―――

騰蛇「これは凄いな…」

勾陣「正に真紅と言ったところか…」

騰蛇「……」

騰蛇はそこにある案内板を呼んで黙り込んだ。

“血の池”地獄…その言葉は千年前の己の罪を思い出させるには十分なもので…

勾陣「…綺麗だな…お前の夕焼けの瞳や炎の色だ…」

騰蛇「勾…」

勾陣の発した言葉はその時に救いを…光を与えてくれた忠誠を誓った主達の言葉…

“その炎はまるで水面に咲き誇る紅の蓮のようではないか…。よし、お前の名を紅蓮としよう…”

“もっくんの瞳は夕焼けの色だね…”

勾陣「まったく…そういうところは千年前から変わらんな…」

勾陣は苦笑すると自分よりも幾分高いところにある騰蛇の頭をくしゃりとなでた。

騰蛇「勾…」

勾陣「(…あまり私をヤキモキさせるなよ…)ほら?行くぞ…紅蓮《ぐれん》」

紅蓮「ああ…そうだな…慧斗《けいと》」

慧斗「久しいな、その名を呼ぶのは…」

――――

夕刻…

騰蛇「それで勾…宿なんだが…」

勾陣「何だ?まさか取れていないとかいうオチか?」

騰蛇「いや…その…家族風呂なんだが…構わないか?」

勾陣「女子にそれを聞のは野暮というものだろう?」


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あきゅろす。
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