断罪〜四〜 「私は、許したくないと思った。川に毒を流した事を。今すぐに大野治基の所へ行けば、解毒薬か解毒法か、それか毒の種類が解るかも知れない。知らないふり、見て見ぬふりは、出来ないの」 自分の行動で、助けられる命。それを見殺しに出来ない。 「皆さん、有難うございました。私は一人でも行きますから」 ペコリ、頭を垂れる。 と、その上に降って来る声。 「拙者はそちらにつこう。逃げるのにも飽きて来たのでな」 酷薄な笑みを宿して金の髪の男は言った。 「一刀斎さん…ありがとう」 礼を述べ、微笑む紗依を見て一刀斎は息が詰まりそうになる。 [前へ][次へ] [戻る] |