場所は屋上。
目の前の男に手渡された一枚の小さなメモ用紙。
「これがあいつのデータだ」
「…ありがと、柳」
仁王雅治
3年B組14番、12月4日生まれのAB型、175a62`
視力は両目2.0
得意科目は数学、苦手なのは音楽
好きな子は……駆け引き上手な子、ねぇ
柳は何も言わず帰っていった。何でこんな詳しいところまで知ってるのかしら。
ガチャ、
さっき柳が出ていった扉から仁王が入って来た。
「用事てなんじゃ、みょうじ」
「…仁王、……ううんごめん、やっぱしなんでもない」
「そう言われると逆に気になるのぅ」
「えー……、じゃあ内緒よ?」
あのね、
(仁王が好きになっちゃったみたい)
(ほぉ)
(あら、意外と驚かないのね)
(まあ両思いじゃからな)
(……あら)
090504
[←][→]
[小説ナビ|小説大賞] 無料HPエムペ!