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活力は乙女心から


「みょうじなまえさん」


えっと、ただ今全校集会中でして、呼ばれたあたしは檀上に上がる。全校生徒の視線が痛いよ!みんな寝てていいから!←


「えー、イギリス、ウィンブルドンJr.ベスト4。全国大会シングルス三連覇………」


すげーとかいろいろ歓声があがりつつも次々にあたしの功績が読み上げられていく。目の前にはおびただしい数の賞状やトロフィーたち。これ持ってくの……?やだなー…




「みょうじさん、おめでとう」

「ありがとうございます」

「みなさんみょうじさんに盛大な拍手を」


パチパチパチ


わ、なんかすいません!こんなあたしなんかにみんなに拍手させちゃって



「えー、では全校集会を終わります。1年生から順に教室に戻ってください……」



あたしだけ長かったみたいで、えっとなんかごめんなさい。あれ、さっきから謝ってばっかだ。
ようやく体育館から出るとすごい人込み…×××
だけどみんなあたしを見て避けてくれる。やさしいね……!



「なまえー!」

「英二!」

「すっげすっげー!賞状たくさん!」



同じテニス部仲間の英二が後ろから大声で名前呼んで来た。恥ずかしいな!
つかおまっ下の方触んなバランスが崩れる!!



「こら英二!」

「およ?あ、大石!みんなこっちこっちー」



まるでモーゼの十戒のように人垣がぱっくり割れて現れるのは我らが男子テニス部レギュラー陣。
……相変わらずすごいと思う。あたしあんなのされたら堪えられない。



「ごめんな、みょうじ」

「いいよ大石。いつもこんなんだからね」

「えーなんだよー!なまえのくせにー!」

「悔しかったら勝ってごらんなさいな」

「ぬぅ…」



はん!英二が今あたしに勝つなんてないと思うけどね!



「それにしてもすごい量だね。次の大会も近いんでしょ?」

「うん。えーと来週…?」

「そっか、頑張ってね」



うっわめっちゃ笑顔の不二から後光が射してる!ちくしょ!かわいすぎるんだよ!これでさらにテニスできるとか神様って不公平★



「みょうじ」

「なに?手塚」

「今回もよく頑張ったな。これからも体に気をつけてしっかりとベストを尽くせ」



手塚の大きな手があたしの頭を優しく撫でる。



「ううううん………!」



いかんどもりすぎた!やっば多分今顔が真っ赤だ……













(なまえってわかりやすいよなー)
(手塚は気付いてないの?)
(……データからしてもそれらしき行動はないな)
(みょうじ可哀相に……)








090802


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