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千里の道も一歩から


バタバタバタ


授業が終わったすぐ後に聞こえる忙しい足音。向かってるのはこっちの方向で、誰が来るのかなんて百も承知や。



「謙也せんぱーい!」

「また来たんかいななまえ」

「えへへー」

「褒めてへんわ!嬉しそうな顔すな!」

「だってあたしは嬉しいんですもーん!」




休み時間ごとに俺んとこに来るなまえはテニス部のマネージャー。ちなみに2年生や。


本人が何を思ったかは知らへんけど毎日来よる。飽きひんのかいな。




「白石ぃー」

「めっちゃ愛されてんな謙也」

「はい!謙也先輩愛してます!」



白石に助けを求めたはずなんに茶化され、おおー!とクラスから歓声が上がる。指笛まで吹いて、ほんま迷惑っちゅう話やで!



「あ、そだ…謙也先輩!」

「ん?」

「これ、受け取ってください!」

「へ?」



なまえから手渡されたんはかわいらしくラッピングされたもの。見た感じお菓子とちゃうんかな。



「あたし昨日家でクッキー作ったんです!で、上手くいったんで先輩にも食べて欲しいなと思いまして持ってきました!」

「……おぉ、おおきに」

「もしかして甘いもん嫌いでした?」

「や、ちゃう!ちゃうよ!ただ……びっくりしただけや」

「へ?」




せや、普段あんなに元気で天然ぽいなまえが家でクッキー作るなんて想像でけへんねん。
作っても丸焦げでしたー!ちゅう落ちがつくみたいな、そんな感じなんや!←

でもわざわざ持ってきてくれた気持ちはなんちゅーか、やっぱうれしいわ。



「なまえ、ありがとな」

「!、はい!」

「せや、次は昼休みやから弁当持ってきいや」

「なんでですか?」

「一緒に食わん?クッキー」









次からはもうちょい優しくしたろかな




(はい!わかりました!)
(なまえちゃん、俺にはないんか?)
(白石部長にはないです)
(……そか)
(残念やったな白石)









090725


はちこさん 1000hitリク



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あきゅろす。
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