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手紙は気持ちと共に


「およ…?」



生まれてこのかた十数年、初めてラブレターというものをもらいました。
や、正確には下駄箱に置いてあったんやけどね。



「おはよー」

「お、みょうじやん」

「よっす!白石!」

「あれ今日は財前いてへんのか?」

「うん。なんや朝早くに行ったみたいや、ておばさんが言ってたで!」

「へー。しかしみょうじはなんや朝から元気やなぁ」

「んふふー」

「なんやええことでもあったんか?」

「じゃじゃーん!」

「おラブレターやん」




手紙はちゃんと封筒に入ってて、上履きの上に綺麗に置いてあった。

宛名には直筆で「みょうじなまえ様」て書いてあるけど、差出人が書いてあらへん。


………ははは。まさか呼び出しとかやないよね!




「こんなあたしが好きやっちゅーもの好きがいたんやねー」

「みょうじはちゃんとかわええでー」

「ありがとー蔵」



クラスメートの白石蔵ノ介。
通称、蔵。

三年間ずっと一緒のクラスで、いまやお互いなんでも相談できる仲なんやでー。




「で、誰からやったん?」

「まだ見てないねん」

「そこは一番に見るとこやろー」

「やーもろたこと自体に舞い上がってしもてなー」

「つか今時ラブレターてアリなんか?」

「蔵、そこはゆったるなって」




期待半分、笑い半分で貰った手紙を開けていく。

ご丁寧に糊付けまでしてあるっちゅーからもう完全に笑いやろ!



ペリペリ
カサッ




「えーと…?」



なまえさんへ

ずっと好きでした。
今まで幼なじみやってきて急にそないに見られへんかもしれませんが、
俺でよかったら付き合ってください。

財前光




「あ、」

「誰やった?」

「……あかん内緒や」








お返事は即行メールで





(「ええよ」、と)
(なー、教えてくれへんの?)
(もうすぐ来るで)
(は?)
(なまえさんっ!)
(え、財前おま…!)
(…白石部長なにわろてんすか)








090703


Hitsuya様 666hitリク



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