ウラハラと鈍感と
「あ、今日の晩御飯は光ちゃんとこで食べてな!お母ちゃんたち4人で、ちょっと旅行行ってくるで♪」
、と朝早くにマミーがダディーとラブラブしながらお隣りさん夫婦と4人で出掛けていく直前に聞かされ、うちは今、お隣りさん家におるんやけど……
もーちょいはよ話せや!あのおしどり夫婦ども!(褒め言葉)
まぁそんなわけで幼なじみ兼後輩の光――財前光ん家の台所で絶賛晩御飯中や。
……ってもうちが料理なんかでけへんし、めんどくさiゲフンゲフン…から簡単にタコ焼きにしよか、ってんでさっきから焼いてますー。
「ほんま光は何でもこなすで器用やなー」
「なまえ先輩が不器用なんとちゃいますか?」
「……褒め言葉ととっとくわ」
光がうちに対していつの間にか"先輩"がついて"敬語"になってもーたけど、まぁええわ。それが縦社会や←
ほんにしてもほんま光は器用にこなすなー。なまえちゃん感心するわ。
一体なんなん?ねぇ、この差はなんなん?←
「中身、何にします?」
「タコさんとチーズ!」
「はいはい」
「出来上がりが楽しみやなー!」
うちは昔からタコ焼きの具はタコさんとチーズて決めてて、光も知っとるはず。
せやからちゃんと用意してくれてるんや!さすが!
ジュージュー
クルンッ
お、転がせるようになってきたやん。もうちょいやな。
「出来たで」
「おー!」
「すんません。ちょい焦げましたわ」
「ええよ!光が作ってくれたんやもん!平気や!」
「…………」
「光?」
ウラハラと鈍感と
(……反則っすわ)
(へ?何が?)
(冷めますよ、タコ焼き)
(あかん!)
090531
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