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幼なじみ以上彼女未満


「なまえー!お隣りに回覧板回してきてー!」

「はーい」



うちのお隣りは幸村家で、あたしの部屋とせーちゃんの部屋はお向かいなんです。


窓からお邪魔するのはよくあることで、なんだかんだ言っても入れてくれるせーちゃんがあたしは大好きです。


コンコン


「ゆっきむーらくーん」

「……」

「ゆーきーむーらーくーん」

「……」

「せーちゃーん」


ガラ


「やめてくんない?ほんとやめてくんない?」



久しぶりに見るとびきり綺麗な笑顔。やべ、鼻血出そう。



「はい回覧板でス」

「はいどうも。…じゃ」

「あ、今からそっち行く」

「……は?」

「、よいしょ」



あたしは窓に足をかけた。ぱっと見たら危ない光景だろうな、うん。




「いやいやいや普通に玄関から入りなよ」

「……えー」

「……」

「落ちるー」

「……はぁ」

「あ、ため息つくと幸せ逃げるんだ、ってにおーちゃんが言ってたー」



こないだ教えてもらったのー、って言ったら「そう」て飽きれ顔で言われた。
くそぅ、どんな顔してても様になるんだからムカつくよね。女の敵よ。



「で、結局どっち?」

「好きにすれば」

「わーい!お邪魔しまーす」

「ほんと邪魔するんなら帰ってよね」


、て言うくせに手を差し延べてるとこあたり矛盾してると思う。



「せーちゃん相変わらず部屋きれいだねー」

「人の話聞きなよ」

「将来いい主夫になるよー」

「俺、男」

「うん、や、ちがくて、旦那が家事やるほうね」

「ああ、そっち」


日本語って難しいよねー、とか言いながらベットに寝転がってみる。



「なに当たり前のように転がってんの」

「ふかふかー」

「おい」



おー、せーちゃんのツッコミだ。流石テニス部!会話のラリーが速いぜ。あ、今の表現うまくない?




「せーちゃんー」

「……なに」

「好きだヨー」

「………寝言は寝て言ってよね」



今の間はなんなのかすごい気になるけどあえて聞かない。ポジティブシンキング!



「うわーなまえちゃん傷付いたー」

「はいはい、ごめんごめん」







今はこのポジションが調度いいんだ。



(せーちゃん、)
(なに)
(大好き)
(はいはい)




090205



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あきゅろす。
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