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俺の声に立ち止まり後ろを振り返った日吉に、満面の笑みを浮かべ挨拶をした。
「おはよう」
「ああ」
昔は何も言葉を返してくれなかったのが、おはようと返してはくれないけれど今ではこうして頷いてくれるまでになった。
たったそれだけの事で、俺は今日一日幸せだなぁって思う。
宍戸さんに言ったら単純だとか言われそうだけど、本当にそう思うのだからどうしようもない。
並んで部室までの道のりを歩く。
別に誰とでも当たり前のように行う行動だけれど、相手が日吉というだけで俺にとっては幾億もの価値を生む。
この当たり前の幸せを掴む為に、また明日も俺は日吉に言うだろう。
「おはよう」と。
end.
初出 040715
修正 060707
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