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5.浴室

彼を浴室に案内する。
簡単に説明をすまし、ではごゆっくり。と後にしようとしたら腕を掴まれ引き留められた。


「…どうかしました?」
「一緒に入らん?」
「はぁ!?」


彼の突然の申し出に不本意ながら変な声をだしてしまった。
いきなり何を言い出すのだろう。
理解不能だ。


「いえ、結構です。お一人でどうぞ」
「日吉も体早く温めた方がいいで?」
「大丈夫ですから!」


彼はそれ以上引き下がる事なく、残念やなぁといい大人しく浴室の扉の向こうに消えた。

それを確認し、俺はひっそりとため息をついた。


「ホントなんなんだ?あの人は…」


取りあえず、まず彼の着替えを用意しなければ。そして温かいお茶の準備も…。
そこまで思考がいった時、ふとさっきの彼との会話が蘇り不可解な疑問にぶつかった。

…おかしい。



「俺、名前教えたっけ?」


060419


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あきゅろす。
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