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その肩に手を伸ばすが、触れるのは躊躇われ寸前で留まる。
そんな自分に呆れながらも手を引き声をかけた。

「日吉」

声をかけるとピクッと肩が揺れ、ゆっくりとこちらを振り返った。
日吉の眉間には困った様に皺が寄せられており、またかと思わずにはいられない。

日吉は、俺が声をかけると必ずと言っていいほど困った顔をする。
日吉が俺に見せる表情は、困った顔か怒った顔のどちらかといってもいい。
岳人とかは普段と変わらないというが、俺から言わせれば確かに違う。

ずっと見ているのだ。
間違いない。

原因は俺の態度にもあるのだろうけれど、俺だってそんな顔をさせたいわけしゃない。
むしろ笑ってくれたら…楽しそうにしてくれたら、と思う。



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