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休憩。と合図がかかると同時に日吉は跡部に呼び出された。
ついて来いと言われ、大人しくついて行った先は誰も居ない部室で、促されるままに日吉はソファに座る。
跡部はというと、日吉をその腕の中に閉じ込めるようにソファに腕をつき、そのままじっと日吉の目を覗き込んだ。
それ以上下がりようがないと分かっていても、反射的に日吉は後退しようと身じろぐ。


「…どうかしましたか?」
「随分とジローと楽しそうだったな」
「そうですか?普通ですよ」


どこがだ。と言いたげに眉間に寄せる跡部に、日吉は呆れて溜息を吐く。
こんなやりとりもいつもの事で、普段ならココで日吉がくだらないと席を立ちひと悶着あったのちに仲直りというのが二人のパターンなのだが、今日は違った。


「そういうんなら、今日は部長を甘やかしてあげましょうか?」



070208


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あきゅろす。
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