オレの秘書さん
過保護上等
「ねぇ○○、顔色悪いけど大丈夫?」
『申し訳ありません。頭痛が…でも薬を飲めば大丈夫です!』
朝執務室で挨拶をするよりも先にボスにそう言われて、ちょっと驚きつつ苦笑い。
実は起きぬけから頭痛がひどくてお薬をシャマル先生に貰いに行くお許しを頂こうと思っていました…。
「本当に?我慢しなくていいから休みなよ」
心配顔のボスに仕事に支障が出るほどの頭痛持ちで、しかもいつもの頭痛薬を切らしてたなんて申し訳なくて俯くしかありません。
『申し訳ありません。すぐにシャマル先生の所に』
「オレも行く」
『えっ…』
私の言葉に割り込んで来たボスの言葉に聞き間違いかと首を傾げる。
「…だから、オレも行く。途中で倒れられても困るだろ?」
『そんな!私事ですし大丈夫ですから!』
「オレは君の上司だよ。部下を気遣うのはおかしい?」
すぐ目の前まで歩いていらしたボスの目が少し切なそうに潤むので断る事なんて出来ません。
上司と部下という言葉にピリッと頭に痛みが走った気がするけれど…。
『本当にすみません。ご迷惑ばかりおかけして…』
「放っておけるわけ無いだろ…」
ペコリと頭を下げた所為でまた頭が金づちで撃たれたように痛みボスの言葉をきちんと聞き取れませんでした。
過保護上等
(シャマルの所に1人で行かせられるほどオレは心が広くないからね)
(倒れる…そんなに顔色悪いのかしら)
(寧ろ倒れたらそれを理由に添い寝とか…)
(これ以上迷惑かけられないから絶対倒れないようにしなくちゃ!)
'10/7/14up
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