小説
3
「……ってことですぅ」
「……ははぁ、なるほど…」
要約するとこうだ。
まず、その転校生は所謂オタクルック(髪がボサボサで分厚い眼鏡を掛けている)で、転校初日から大多数の生徒から反感を買ったらしい。
しかも生徒会と接触して、その上生徒会と親しげに話していたらしいのだ。
なるほど、皆妙にピリピリしてると思えば、それが原因か。
ははぁ、そういうことか、とうなずきながら副隊長君の話を聞いていた、
……の、だが……
「……会長様と、キス?」
気付けば、声に出してしまった。
その言葉は自分の中でぐるぐると巡回し、頭の中を支配した。
顔が強張り、表情が消えていく。
視界の片隅で、副隊長君はにやりと笑った。
「どうしましょうかぁ、隊長様?」
目の前の、麗しい会長様の写真をみやる。
切れ長の目にさらりとした黒髪。
カリスマ的な能力と、すべてを従わせるようなオーラ。
射抜くような視線は、恐ろしくもカッコいい。
そんな我らが会長様には、孤高の王様でいてもらわなくては。
自分勝手なその言い分を会長様は嫌うだろう。
僕は口元に笑みをたたえ、判決をくだした。
「転校生に制裁を下す。副隊長君、伝達よろしく」
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