同じ顔のアイツ 2 …それから数十分後。 そろそろ着替えるか…。 やっと頭が覚醒し、枕元に置いてある眼鏡をかけ、ベッドから立ち上がってクローゼットへ向かった。 制服は学校の規定通りに、シャツは第1ボタンまでしっかり閉め、ネクタイもきっちり上まで上げる。 勿論、シャツの裾もスラックスの中に収めた。 それじゃあ行くか…。 時瀬の所為で立て付けの悪くなったドアを開け、共同スペースであるリビングへと足を進めた。 すると其処には、何時も通り不機嫌な顔をした時瀬がソファーに腰掛けていた。 「おはよう時瀬。食堂行こうか」 「はよ。行くか」 そう言って時瀬は立ち上がると、玄関の方へ向かった。 時瀬はちょっと性格悪いところがあるが、何時も俺が起きてくるまで食堂に行くのを待っていてくれるし、見た目不良のわりに気が利く。 それに、結構優しいところもあって、良い奴だ。 「おい夜乃、遅い。置いてくぞ!」 「あっ、今行く」 いつの間にか玄関から出ていた時瀬に返事を返し、小走りで彼の元へ駆け寄った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |