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beautiful * bird


「…生き、てる?」

白い天井を見ながらゆっくりとまばたきして呟く。
思ったよりも声が出ずに空気を吐き出したような音だった。
ぼうっとした寝起きの頭を働かせる。
薬品の匂いと肌触りの良い真っ白なシーツ。
自分はどうやら病院のベットに横になっているらしい。
働かない頭でそう認識した時、

「あ、起きた?」

突然視界に白衣の医者が目に映る。人が良さそうな笑顔で話し掛けられるが、残念ながら声が出ず返事は音になってくれなかった。

「無理に喋らなくてもいいよ。」

そう言って微笑む医者はちょうど自分の親くらいの年齢のようだ。医者が手元のボタンを操作するとゆっくりとベットが動き、ユウキの上半身を持ち上げた。

「水を飲むかい?」

コクンと頷けば、ベットの横にある水差しをそっと口元に運んでくれる。
水が体中に染み渡っていく。ようやく自分が相当喉が乾いていたことに気づいた。
夢中になって水を飲み干す。どうやら喉が渇きすぎて喋れなかったようだ。

「君は十日間も眠っていたんだよ。ところで、ボクのお名前をおじさんに教えてくれないかい?」

ボク?
目の前の医者の小さい子供に話し掛けるような口調にも違和感を覚える。
戸惑っているユウキをみてどう思ったのか医者はさらに言葉を重ねる。

「ボクのパパとママはボクをなんて呼んでるのかな?」
「…ユウキ」

とりあえず質問に答えようと思って名前を言ってから自分の声の違和感に気づく。なんだか舌足らずで少し高いような?

「ゆうき君だね?かっこいい名前だね。ゆうき君は何歳かな?五歳くらいかなぁ?」

え、
え…え、えええええぇぇぇぇぇっ!!??
ユウキは驚愕しながら、そういえばやたらとベットやら水差しやらが大きいことに気が付いた。
慌てて体を起こそうとして身じろぎして気づく、本来のユウキにはついているはずの無い内股に触れるアリエナイもの。
混乱した頭の中でマナミに読ませられたライトノベルやらドリーム小説やらBL小説やらの主人公と自分の状況が重なる。


えええ、性別転換トリップってアリですか――――っ!?



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