beautiful * bird
理事長 * 1
ようやくたどり着いた理事長室。
それまで通ってきた学園内部の感想はあえて口にしない。
口にしだすと際限が無いだろうからだ。
ただ一言いうなら、
『金の無駄遣い』
どこもかしこも豪華絢爛。バロック様式、ロココ調、装飾華美である。
「やぁ、いらっしゃい。ようこそ、鷲見山学園へ。私は鷲見光太郎。この学園の理事長をしているんだ。よろしく」
高級感が溢れる革張りの椅子から立ち上がり、ニッコリを笑う男性。
ミルクティ色の髪は綺麗に撫で付けられ、着ているスーツからも高級感が溢れている。
三十代の後半には見えない若々しい容貌に、どこかまるで何十年も上に君臨しているような存在感も感じさせる。
(うっわー…さすが、父様のお友達…面倒なことになるぞこりゃ)
夕貴は心の中で盛大にため息をつくが、外には一切その気配を出さない。
これ以上厄介な人物に目をつけられるのはこりごりだ。
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