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beautiful * bird
3

「ん?言ってなかったっけー。オレ院も出たぜ?」

ニヤリと笑って言われた衝撃発言に思わずハンドル捌きを間違えそうになった。

「っと!あぶねーなぁー」

「な!お!いっ!?」

「なんで知らせなかった!お前!!院だと!?って?教授がしつこいもんだからさぁ、しかたなく入ったんだよ。ユウキ・ミドリっていったらこれでも学会では超有名人なんだからなー」

「…はぁ、まぁそれはいいとして…偽名を名乗れって言うのはユウキを守るためだけじゃない。『ユウキが足を踏み入れる世界とそこにいる人種を見極めろ』っだってさ。」

「見極めろ、か…ふーん、それで一般人のフリをしろってことか」

(父様の事だから理由はそれだけじゃなさそうだけどな)

いつもにこにこと笑顔の義貴だが、さすが重蔵の息子だけあってなかなか侮れない人なのである。

「お前が一般人のフリなんて出来んのか?」

「…お前も知ってんだろうが、オレの過去。あの時まではオレは確実に一般人だったんだよ。爺様に鍛えなおされるまではねぇ…」

何かを思い出したのかユウキが遠い目をする。

「じ、爺様は本当にすごいかただからなぁ…」

雅隆も何かを思い出したのか目が泳ぐ。
二人同時にため息をついて視線を合わせた。

「…この話はここまでにしよう」

「…そうだな」

((これ以上思い出さないように!!!!))

二人の心の声が見事に重なった。


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