beautiful * bird
2
“MIDORI”というのはユウキが養子になってから義貴が立ち上げたIT企業の名前だ。
ここ十年で急成長し、世界にもその名が知られるようになり、大会社の仲間入りをした会社である。
現在、義貴が社長なのだが、夕貴が次期社長となるのはすでに決定し公表されている。
「それがどうしたんだよ。」
「ここに通うお坊ちゃまは大概が各界の著名人やお偉いさんの子供ばかりなんだ。」
夕貴の視線が鋭くなる。
(はぁん?なるほど…)
「つまり、ここはミニ社交界ってわけね。んで、オレの名前は知れ渡っているから取り入ろうとする奴らからオレを守る為、ってこと?」
(こんなナリしてるし、取り入りやすそうに見えるだろうし。)
雅隆は息を飲む。
「…相変わらず頭の回転速いな。」
「まぁね、このくらいでなきゃ、アメリカの大学じゃやってけねぇしな」
「って、そういやお前アメリカの大学卒業したのか?」
大学に入ったって聞いた時は驚いたけど、と雅隆が呟く。
ユウキは10歳になると同時に単身渡米してサクッと大学に合格したのだ。
しかも、雅隆が両親に会いにドイツに行っている間に渡米してしまっていたため、夕貴が大学に入った後にそのことを知ったものだから本当に驚いた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!