beautiful * bird
家族
美鳥家の養子になったユウキ。
…それからが、大変だった。
「ワシの孫となるからには、軟弱者であってはならん。修行じゃ!!さぁ山へ行くぞ、夕貴や!!」
年を感じさせないパワフルさを持つ、美鳥道場の総師範である美鳥重蔵。
「今は男子でも、元は女子。たしなみとしてお稽古いたしましょう、夕貴さん。」
にっこりと着物姿で微笑むのは、重蔵の妻である美鳥政子。
二人によって、みっちりとしごかれ鍛えられ、様々な武芸を仕込まれた。
ええ。そりゃあ、もう、みっちりと!!
(…夕貴が何度か修行中に死にかけたことをここに追記しておく。)
「そうよね、政子さんの言うとおりだわ!女の子の気持を忘れちゃいけないわよ、夕貴ちゃん!」
祖父母に便乗し、夕子も嬉々としてバレエやらダンスやらピアノやらを教え込む。
義貴は義貴で、
「息子と娘がいっぺんに出来たようで嬉しいよ」
と、スパルタで扱かれ、鍛えられていく夕貴をニコニコとして見守っていた。
…ユウキは美鳥家に来てから一年のうちに、変わったというより、『進化』したと言いたくなるような変貌を遂げた。
理由はもちろん、『家族』にあることは明白だ。
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