beautiful * bird
4
思考の海をさまよっていたのか、いきなり目の前に人が来た気配がして雅隆は驚いて顔を上げる。
目の前の人物は15才くらいの少年。
夕貴?
「ああ、マサタカがお迎えだったのか〜。やっほー久しぶり。」
ニカッと笑った笑顔は昔と全く変わらない。
「ああ、久しぶり」
ようやく目の前にいるのが親友だと分かった為か肩の力が抜ける。
無意識に気を張っていたようだ。
「あれ?オレだってわかんなかった?」
それに目ざとく気づく夕貴。
(そういうとこもまったくかわってないよなー)
目の前にいる青少年。頭にそうように切られた黒い髪は、頭が動く度にさらさらと揺れる。
ノンフレームの眼鏡のせいか、とても地味に感じる。
どこにでもいそうで目立たない存在。
見た目を裏切る中身の持ち主だなんて、ここにいる誰もがおもわないだろう。
「…そりゃ五年ぶりだしな。チビだったのに、結構伸びたなぁ。」
「ん、170いったし。そーいうマサタカはあんま変わってねぇな」
嬉しそうに笑う夕貴が向かい合わせの椅子に座る。
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