beautiful * bird
3
慌ててジャケットから財布を取り出す。
財布にはさんでいた六年前の古い写真。
そこには今より少し若い自分と幼い夕貴。
写真の中の笑顔は消えてなくてホッとする。
(こうゆう顔だったな…)
なんで忘れてしまっていたのだろう?
こうやって写真を見ると、イタズラっぽい表情やら、太陽のような笑顔、泣き顔も、全て思い出せるのに。
元々からなぜか外見は記憶に残りにくい奴だったが、自分だけは決して忘れたりしないと自負していた。
はぁ…とため息を吐く。
* * *
雅隆は全く気づいていないが、優しげな美形が写真を見ながらため息をついている。
そのアンニュイな雰囲気が周りの目を思いっきり引き付けていたりする。
* * *
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