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beautiful * bird
挨拶 * 1


儀式が終わり封印の修繕が無事に済んだことを確認して卯月はホッと息をついた。

今回はいつもより綻びが酷かった。

(誰も瘴気に当てられてなければいいけどな)

ざぶざぶと水をかき分けて岸を目指す。

肌に張り付いた単衣が邪魔くさい。

これが『兎』の正装だからしょうがないのだが、今の時代は水着とかもっと水中で動くのに機能的なものだってあるのになと思う。

ザンバラになった白い髪が風に揺れる。

一気に頭が軽くなって楽だ。この頭になると儀式が終わったのが実感できて気も楽になるせいもあるんだろう。
すぐにまた元に戻るとわかっていても、できればずっとこの頭で過ごしていたい。

岸に上がって歩き出そうと足を踏み出した瞬間だった。

大木の梢が大きな音を立てて卯月の目の前に人が降ってきた。

自分の目が見開かれるのがわかる。

降ってきた少年はにっこりと笑った。

「はじめまして。百埜卯月、監査委員長さん」

その言葉に一気に緊張した。

そしてその反応はその言葉を肯定するものだと一瞬の後に気づいて、自分の気がここまで緩んでいたのかと歯噛みする。


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