beautiful * bird
6
このまま落ちたら大怪我ではすまないだろう。
「チッ!」
ユウキは瞬時に到達時間、軌道修正方法を割り出す。
腕を身体に引き寄せ回転を速める。
そのまま後ろ頭を引いて宙返り身体を捻った。
猫のようなしなやかな動き。
ぱしっと、片手でかろうじて岩の出っ張りを掴む。
揺れる身体を利用してぐっと反動をつけて出っ張りの上に着地する。
蔦を断ち切ってから一秒足らずでそれだけのことをやってのけてからユウキはため息をついた。
「ふぅ、あっぶねぇ…」
(風の動きは読んでたはずなんだけどなぁ)
あやうく死ぬかと思った。
手に持ったままだったナイフを手首のホルターに仕舞い、何メートルか下にある大木の枝に狙いを定めて飛び降りる。
ぐんと枝がしなる。がさがさと葉が音を立てた。
そのまま枝々を飛びながらある程度の高さまで降りれたところで地面に飛び降りた。
すたっと体重を感じさせない動作で地面に降り立つ。
ユウキの眉間にしわが寄る。
やはり近い分だけ嫌な感じが酷い。
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