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beautiful * bird
2

かなりの速度で疾走する。

木の根や岩を飛ぶように超えていく。

たとえユウキとすれ違ったとしても風が通り過ぎたとしか認識できないだろう速さだ。

枝や大きな木の根などを跳び回り、殆ど人の手が入っていないところまで来た。

くん、とユウキの鼻が動く。

(水の匂いがする)

この匂いの強さからいくと、そんなに遠くないところに水があるはずだ。

ユウキはその場に座り込み地面に耳を当てた。

風、そよぐ木々の葉音、何かの小動物の足音、鳥の鳴き声。

川のせせらぎは聞こえない。

「ということは、池か、湖か」

そう呟いたユウキはまた音もなく走り出す。

水の匂いが強まるにしたがって嫌な感じも強くなっているようだ。

どくん、どくんという鼓動の音を大きく感じる。

あとは周囲の空気を切り裂いていく音だけだ。

疾走しながらもユウキは周囲の気配を探る。

そこでおかしなことに気がついた。

(生き物の気配が少ない?)

普通森の奥に行くにしたがって生き物の気配が多くなるのに、反対に少なくなっていくようにも感じる。

いや、何かに怯えたように息を潜め隠れているのだろう。

嫌な感じはどんどん強く、その強大さもわかってくる。

やはり川の音はしない。

おそらく水の匂いの強さから、この先には湖があるのだろう。

たぶん原因はそこの近くだ。


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あきゅろす。
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