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beautiful * bird
森 * 1

寮を出てすぐに見えるのは校舎と反対側に広がる森。

森は人の手が定期的に入っているようで、里山の雑木林のように整えられている。

ユウキは銀次との朝食の後、散歩でもしようとぶらぶらと森の中を歩いていた。

すぅっと息を吸い込む。

朝の森は独特の澄んだ香りがする。

(武道の一人稽古ができそうな場所があればいいなー。あとは適度な長さのランニングコース)

美空ユウキである以上、そういうことをやっているのが周囲に知れるのはまずい。

かといって稽古をさぼるわけにもいかない。

銀次に聞いたところ森にはめったに生徒は行かないらしい。

裏手の森はかなりの大きさで人の手が入っているのはほんの一部。しかも毎年何人かの生徒が迷い込んで出られなくなるらしいからいっそうだ。

「オレとしてはありがたい話だよなー」

日本の森は得意地帯だ。お爺様との修行で慣れまくっている。

生息する生物もだいたいは予測がつくし、人がめったに来ないならば余計にはっきりと自分以外の人間が来たことがわかるだろう。

しばらく歩いていると妙な感じがした。

ぴんっと神経の糸が張り詰めるのを感じる。

何だ、この嫌な感じは。

妙な胸騒ぎと感じたことの無いような気配にユウキの感覚が鋭くなる。

どうやらそれは森の奥のほうから漂ってきているようだ。

「遠い……」

ユウキは自らの気配を絶つと、森の奥へと音も立てずにすばやく走り出した。


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あきゅろす。
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