beautiful * bird
6
「どうなんだ?」
「……当たりだ」
「どのくらい寝てない?」
「知らねぇ」
まぁ、銀次の様子から見て殆ど寝れてないんだろう。
「食事は?胃が受け付けなくなってんじゃねぇか?」
「……」
沈黙は肯定だ。
「はぁ。今は一番身体を作る大切なときなんだからな。治したいとは思ってるのか?」
こくりと頷く。
「なら、オレの知り合いに医者いるんだけど、藤崎雅隆、知ってる?
オレのこの学園にいる知り合いがいるって言ってただろ?それってそいつなんだよ。
あいつなら胃が食べ物受け付けないのくらいはすぐ治せるから一緒に行こうぜ」
銀次は箸でおかゆを小さく混ぜている。
「このままじゃ体調悪くなる、食い物食えない、力が出ない、体調悪くなる、の悪循環しかないぞ?」
俯いたままおかゆを混ぜ続ける銀次にユウキはため息をつく。
「あんまりごねると無理やり担いでいくぞコラ」
半ば脅すように言うとしぶしぶ口を開いた。
「薬、嫌いなんだよ」
すこし頬が赤く、視線をはずして俯いている銀次。
薬が嫌って……
「っぷ、あははははっ!おまっかっわいいな!」
「笑うなっ!可愛くねぇよっ!」
だから言いたくなかったんだとブツブツと呟く銀次の耳は赤く染まっている。
「まぁ、それはマサタカに相談すればどうにでもなるだろ」
とりなすようなユウキの言葉に銀次の眉がピクリと動く。
「……マサタカって呼んでんのか?」
「そうだけど、まぁ幼馴染だし。それがどうかしたのか?」
幼馴染、と呟く銀次の眉間に皺が寄っている。
「……く…」
「ん?」
「行く、つってんだよ!」
「あ、うん。じゃ夕方な」
「おう」
急に不機嫌になったかと思ったら目が爛々としてんですが、どうしたんですか銀次さん。
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