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えっと、確か体育館への看板を見て曲がって…あれ、そのとき間違えたのか?第二だっけあれ。


今俺の周りには緑が広がっている。なぜ学園に森があるんだ。そんなに大きくはない、とは思うけど。


腕時計を見るともう9時15分。

走った意味…ない……。



森といっても小さな道があり、多少早足で進む。

途中で引き返すことを考えないから俺はいつも迷うんだろうか、なんて考えながら歩いていた。


ふと前が開けたから見渡すと、小さなスペースがあった。隅にベンチが1つぽつんと佇んでいる。


俺が足を止めたのは、そのベンチの上で寝ていた人の髪に目を奪われたから。

着崩さずピシッと着られた制服に、背中にまで届くだろう散らばった銀髪。

思わず銀糸に手を伸ばすと、―――瞬間、腕を掴まれる。

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