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その言葉にいきり立った下っ端が一斉にJOKERのもとへ向かう。
品がない…いや、ただの暴力に品も何もないか、と溜め息を吐きたくなりながらも、まずは小手調べ、とそれを止めずに観察。
…ただの雑魚じゃ、ないみたいだね。
向かった30人程に対し動きがあったのは、4人。
その中でも群青色の髪をした長身の男が、口端を上げ余裕綽々といった様子で暴れまわっている。
他の3人は、まあそこそこと言ったところか。
それにしても、さっきの言葉が本当なら、気まぐれな各チームとの衝突の目的は『ただ喧嘩したいから』ということになる。単純すぎるその目的の矛盾点。そう言った言葉に、好戦的な闘志を感じない。それはあの頭だけでなく、チーム全体から。
…あの、フードを深く被った黒ずくめを除いて。
つまり?
それらが意味することは。
――『ケンカしに来た』のは、あの黒ずくめってこと…?
「やっぱり『黒狼』、かなあ?あれ」
「…コクロウ?」
徹の独り言のような言葉に反応すると、『あれ、知らなかった?』という顔をされる。
「ウワサでは、黒狼は全身真っ黒で〜、黒狼に闘う気が無くなると、JOKERは引き上げちゃうんだってさ」
わけわかんないよね、との言葉に返事をせず、考える。
その噂が本当だとしたら、先程の自分の考えは合っているのか。
「…………。」
分からない。
不愉快だ。
ならば?
――知ればいい。
「――さぁて、」
僕を一瞥した龍貴が呟く。
30人いた下っ端は、一人残らず地に伏せている。
「小手調べは終わりだ」
龍貴は子どものように楽しそうな顔で、笑った。
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