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その返事に満足して再び窓の外に目を向ける。

「…まだ着かないのか」
「多分もうすぐだと思うよ」

何するんだろうねえ、と沙音が呟く。生徒会主催のその内容は、三泊四日ということ以外知らされていない。
それでいいのかよ。と思うけど、他に疑問を抱く者はいないようだ。

せっかくだからみよ先輩に聞いとけば良かったかな。でも仕事三昧で聞く暇なかったか、と考えたところで“アレ”を思い出した。

「……あああーもう!!」

突然頭を抱えて大声を出す俺に、横で沙音の戸惑う気配がした。
けど、そんなことに構ってる余裕はない。


認めねーよ俺のファーストが、男だなんて!!




****




会場に着いたのは16時頃だった。とりあえずは各自振り分けられた自室で待機。一時間後大ホールに集合だそうだ。


「あー…」

意味のない声を上げながらボスッとベッドに倒れる。このまま寝そう…

「澪寝るのー?」

隣のベッドに座る沙音が荷物を取り出しながら声をかける。

「…ん〜…」
「まだ酔ってるなら寝ちゃえば?一時間経ったら起こすよ」
「…ああ、そうする。ありがとう」

言いながらモゾモゾと布団に潜る。ああ、柔らかい…

すぐに寝息をたて始めた俺をじっと見て、

「…無防備すぎ。ここまで信用されてるのもな…」

沙音の顔は陰り、ため息は重い。


「この外見を、今ほど疎ましいと思ったことはないよ。
…ああ、あの時以来かなあ」

理由は正反対だけど。


「やっぱちゃんと攻めないと、意識してくれないか。ネコになるつもりもないしね。
…覚悟してね、澪」


ふふ、と妖艶に微笑んで。

そうしてあっさりとセカンドも男に奪われたことなんて、俺は知る由もなかった。



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あきゅろす。
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