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side-澪


門番のおじさんに門を開けてもらい(自動じゃなくて普通に手動だった…なんとなくがっかり)とりあえず寮へ向かった。

幼稚舎から高等部まであるといってもそれらは独立していて、校舎や寮など、活動スペースは全く別。日常、幼稚園児や小中学生に会うことはないらしい。

こんなことはパンフレットには載ってない。旭さんが教えてくれたんだ。旭さんと雄飛は共にこの柳星学園にいたから、何かわからないことがあったら言ってね、と旭さんに微笑まれた。けど、わからないことがまだわからないからな。


ちなみに寮は高等寮だけで3つある。単純に学年ごとらしい。俺は勿論1年生の寮だ。


「……これ、か?」


目の前に現れたのは、見た目こそ華美ではないものの、なんか高級ホテルって感じの建物。

……寮って、もっと古臭いイメージだったんだけど。いや、この学園にそれを思うことの方がどうかしてるか。

自動ドア(もう突っ込むまい)を通った先には明るいロビーが広がる。

…確実にホテルだよな、これ。違いは受付がないことくらいか。

意外にもロビーに人気はない。それでも談笑している人が数人いたが、俺を見た途端押し黙る。


なんだよ。
そんなにリュックを背負った凡人が珍しいのか。


「……ねえ、あれって…噂の外部生?」
「うっわ〜見るからに庶民じゃん。」
「ていうか平凡すぎ。誰だよ美少年説流しだの」
「かなりテンション下がんだけど。あれじゃ勃たねーよ」
「あの庶民もここに住むわけ?図々しい。身の程知らなすぎ」




……とりあえず、歓迎はされてないらしいな。

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あきゅろす。
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