青春しようぜ!【おお振り】 7 「お前…ななになにしようとしてんだよ」 いつも以上に低い声。 対する先輩は高く笑った。 「はあ?ななちゃんとは相思相愛なんだよ。」 「意味わかんねー。 こいつ、俺ンだけど。」 どくっと、心臓がはねた。 こんな状況なのに。 そういってくれることに喜びを感じる。 「え?そんなわけないんだよ!」 先輩の拳が振り上げられる。 隆也、あぶない! そう思った途端、体が動いた 「私はあんたのじゃない。 もう、つきまとわないで」 思いっきり強く押して、転んだすきに隆也と走り出す。 先輩が呆然としているのが見えた。 「もう、大丈夫だよね!」 「ああ。お前、あいつにあんなこといった事なかったろ? 大分ショック受けてたぜ」 いままでは、逃げていた。 先輩にさえ、嫌われたくない、そんなちゃちな考えで。 はっきりといえばよかったのに 「ねえ、隆也。 私…」 「言わねえでもわかってるよ。」 震えてんじゃねえか。なんて 軽く抱きしめてくれる。 「それでも耐えてたんだろ。」 「…うん。ありがとう」 もう、言ってしまおう。 「隆也、ニセモノ彼氏になってくれてありがとね! でも、私本当に隆也がすき。」 恐る恐る隆也をみると、真っ赤になった耳が見える。 「この前の、アレ。俺本気にしたんだからな。」 「え?」 「俺も同じだよ。」 _____ニセモノ彼女 fin_____ [*前へ] [戻る] |