【HQ】 lilac 【黒バス】
2
「影山、あのね。」
なにも言わなくなった影山に声を掛ける。
「私はずっと好「ちょっと待ってください。」
告白の言葉をかき消される。
「…そういうのは。俺が、高校受かってからでいいですか。」
「どういう、意味?」
いつも揃ってた前髪が揺れる。
これもすべて卒業式の空気のせいだ。なぜか、泣きたくなる。
「先輩ときっと、同じ気持ちだけど、俺今じゃダメなんで。」
「…なんか、影山らしいね。
うん。わかった。」
「でも、俺だって、ゆづ先輩と離れたくないです。」
ぎゅ、っと握られる両手。
「…成長して、追いつきます。」
少しその声と手が震えてる気がしたから。
「ばか。
…うん、影山以外すきになんかなれないから、早く、来てね。ぜったい受かってね!」
離される両手。
触れられる頬。
「一度だけ、いいます。
卒業おめでとう、ございます。」
合図もなく降る影山の体温と、触れ合う唇の感触が、
さよならの合図。
_____fin_____
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