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自惚れ愛され(レギュラス)

あ、やっぱり。

噴水の近くの芝生、いつもあそこで授業をサボっているんだ。


「先輩。全く、こんな所で何やってるんですか」
「あ、レギュラス。」
「授業始まっちゃいますよ」
「ねぇねぇ、あたしの理想のタイプって聞きたい?」
「…いきなり何ですか」


呆れたような顔をしつつも、レギュラスは芝生の上で寝転んでいたなまえの隣に座った。


「あのね、まず頭いいの」
「…僕聞くなんて言ってないですよね」
「それでねー。クディッチのシーカーで」
「…無視ですか」
「名前はレギュラスっていうの」


キュン。

当たり前だが僕はこんな事、言われ馴れてるわけでもなくて。(兄さんじゃあるまいし)
一体何を言ったら良いのかわからない。


「…先輩。」
「だけど腹黒いし冷めてるしひねくれ者だし、困った奴なんだあー」


…さっきのときめき返してください。


「レギュラスなんか、スリザリン追い出されちゃえばいいんだ」
「どうしてですか」
「レギュラス、きっと早死にすると思うよ」


そう言うと顔を隠すようにしてなまえはレギュラスに背を向けた。


「もしかして心配してくれてます?」
「…自惚れんなひねくレギュラス」


背を向けたまま自分の悪態を突く彼女がたまらなく愛しくて。


「そりゃ、自惚れもしますよ」
「自惚レギュラス」
「もう何だっていいです」


優しく、彼女の髪を撫でる。

それは思っていたよりずっと細くて柔らかくて

どんな宝石よりもすごく綺麗だと思った。


「先輩。僕のこと好きなんですよね」
「…好き、ですけど」
「じゃあここでキスしてもいいですか」
「えっ!!?」


がば、となまえは顔を上げてレギュラスと向き合った。

…あ、顔真っ赤。


「こ…ここではちょっとマズいんじゃ…」
「誰も見てませんよ。授業始まってるだろうし」
「で…でもっ…」


あれ、さっきと立場逆転してませんか。

こういうのも良いなぁ、とか思ってみたり。


「そんな困った顔しないでくださいよ」
「だだだだって!変な冗談言うんだもん!」


あぁ、そんな可愛い顔は反則ですよ。

「冗談じゃなんですけどねえ…」

もう一度、髪の毛を撫でる。


「なんでレギュラスはそんな余裕なのよ」
「そう見えます?」
「見えるよ」


余裕も何もあったもんじゃない。

本当は、


「本当は先輩が誰かの所に行ってしまわないか不安なんですけどね」
「…馬鹿」
「これは冗談じゃないですよ?」


馬鹿ー。と言いながらレギュラスの肩に頭を乗せるなまえ。


「レギュラス以外の所なんて行くわけないじゃん」
「お菓子で釣られたりしないでくださいね」
「あたしを何だと思ってるのさ」
「よくわからないけど、好きですよ?」



あーもう、やっぱり貴女には敵わない。

とりあえず今は起きて
こっちを向いて

僕を、見てください




081016.
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